「どうして同じりんごなのに値段が違うの?」子どもたちが「値段の決まり方」を学ぶ、お金の病院アカデミー第6回授業
スーパーへ行くと、子どもがこんな質問をすることがあります。
「お母さん、このりんごは200円なのに、隣のりんごは300円だよ。どっちもりんごなのに、どうして?」
大人はつい、
「こっちの方がおいしいからじゃない?」
と答えてしまうかもしれません。
もちろん、それも理由の一つです。
でも、本当は値段には、たくさんの人の仕事や工夫、思いが詰まっています。
今回のお金の病院アカデミーでは、「値段は誰が決めるの?」をテーマに、お金の向こう側にある「価値」について学びます。
今日の主人公は「りんご農家のモモ」
森の村で、うさぎのモモはりんごを育てています。
毎朝早く起きて、水をあげます。
暑い日も、寒い日も、草を抜きます。
ようやく赤くておいしいりんごが実りました。
先生は子どもたちに問いかけます。
「モモは、りんごを100円で売ってもいいかな?」
「500円でもいいかな?」
教室からは、いろいろな声が上がります。
「100円!」
「500円!」
「200円くらい!」
先生は笑顔で言います。
「どうして、その値段にしたの?」
ここから、「考える授業」が始まります。
値段は「材料」だけでは決まらない
先生は黒板に、りんごができるまでの絵を描きます。
- 苗を植える
- 水をあげる
- 肥料をまく
- 草を抜く
- 台風から守る
- 収穫する
- 箱に詰める
- お店まで運ぶ
「もし、誰も水をあげなかったら?」
「もし、運ぶ人がいなかったら?」
子どもたちは答えます。
「りんごは食べられない!」
先生は続けます。
「値段には、たくさんの人の仕事が入っているんだね。」
「100円のりんご」と「300円のりんご」
先生は二つのりんごを見せます。
一つは、小さくて少し傷があります。
もう一つは、大きくてピカピカです。
「どっちが高そう?」
ほとんどの子どもが、大きなりんごを指差します。
でも先生は、こう話します。
「小さなりんごも、おいしいかもしれないね。」
「近くの畑で採れたから、運ぶお金が少なかったのかもしれない。」
「だから安く売れることもあるんだよ。」
子どもたちは、「高い=良い」「安い=悪い」ではないことに気づき始めます。
教室が「りんご市場」になる
授業の後半では、教室が市場になります。
子どもたちは、
- 農家さん
- 八百屋さん
- お客さん
に分かれます。
農家さんは、それぞれ違うりんごカードを持っています。
「とても甘いりんご」
「少し小さいりんご」
「たくさん採れたりんご」
「遠くから運んできたりんご」
先生は聞きます。
「いくらなら買ってもらえるかな?」
子どもたちは相談しながら値段を決めます。
お客さん役の子どもは、
「ちょっと高いな。」
「でも、とてもおいしそう!」
「今日は安いりんごを買おう。」
それぞれ理由を考えながら選びます。
値段は「約束」ではなく「相談」
ゲームが終わると、先生は話します。
「値段は、お店が勝手に決めるだけではありません。」
「買う人も、『その値段なら買いたい』と思うから、お買い物ができるんだよ。」
つまり、値段とは、
「売りたい人」と「買いたい人」の気持ちが出会って決まるものなのです。
これは子どもにも分かる、「市場」の第一歩です。
家庭でもできる「値段探検」
今日の宿題は、スーパーで三つの商品を見比べることです。
例えば、
- 牛乳
- パン
- トマト
同じような商品でも、値段が違うものを見つけてみましょう。
そして、お父さんやお母さんに聞いてみます。
「どうして値段が違うと思う?」
きっと、親子で新しい発見があるはずです。
「安い」だけで選ばない力
大人になると、
「少しでも安いものを買おう。」
と思うことがあります。
もちろん、それも大切です。
でも、
- 長く使えるかな?
- 作った人はどんな思いだったのかな?
- 地元で作られたものかな?
- 環境にやさしいかな?
そんなことも考えられるようになると、お金の使い方はもっと豊かになります。
お金は、ただ物を買うためだけの道具ではありません。
「どんな未来を応援するか」を選ぶ力でもあるのです。
お金の病院アカデミーが育てたい「価値を見る力」
第6回の授業では、「値段」と「価値」の違いを学びました。
値段は数字です。
でも、価値は人によって感じ方が違います。
だからこそ、自分で考え、自分で選ぶことが大切なのです。
お金の病院アカデミーでは、「一番安いものを選ぶ子ども」ではなく、「その値段にはどんな理由があるのだろう」と考えられる子どもを育てたいと考えています。
物の向こうには、人がいます。
仕事があります。
工夫があります。
そして、「誰かに喜んでもらいたい」という思いがあります。
その思いに気づける子どもは、将来、お金を大切に使える大人になるでしょう。
お金とは、数字ではありません。
人と人をつなぎ、価値を届けるための橋なのです。
そのことを知ることが、「お金の健康」を育てる大切な一歩になると、私たちは信じています。

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