【バビロンの大富豪⑤】 「マイホームは本当に資産なのか?」 ――「住むための家」と「お金を生む不動産」は何が違う?

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【バビロンの大富豪⑤】

「マイホームは本当に資産なのか?」

――「住むための家」と「お金を生む不動産」は何が違う?

「家を買えば資産になる」

「家賃を払い続けるのはもったいない」

「住宅ローンを払い終われば、自分の財産になる」

こんな話を聞いたことはありませんか?

確かに、家を購入すれば、自分の所有する不動産になります。

しかし、

「所有している=お金を生み出す資産」

とは限りません。

ここが、今回のテーマです。

『バビロンの大富豪』では、財産を築くための教えの一つとして、

「自分の住まいを持つこと」

が取り上げられています。

ただし、これを現代の日本にそのまま当てはめて、

「とにかく家を買えばいい」

と考えるのは少し危険です。

なぜなら、

「住むための家」と「お金を生み出す不動産」は、役割が違う

からです。


1.「家は資産」とよく言われる

例えば、3,000万円の住宅を購入したとします。

10年後、その家の価値が2,500万円だったとしても、

「2,500万円の資産を持っている」

と考えることはできます。

しかし、同時に住宅ローンが2,000万円残っていたら、

単純化すると、

家の価値2,500万円-住宅ローン2,000万円=500万円

です。

つまり、

「家の価格」=「自分の純資産」

ではありません。

さらに、

  • 固定資産税
  • 修繕費
  • 火災保険
  • 管理費
  • 駐車場代
  • リフォーム費用

なども必要になります。

家を買うときは、

購入価格だけではなく、保有するためのコスト

も考えなければなりません。


2.「資産」と「お金を生む資産」は違う

ここで、二つを区別してみましょう。

① 住むための家

自分や家族が住みます。

家賃を払わなくてよくなる一方で、

  • ローン
  • 固定資産税
  • 修繕費
  • 保険
  • 管理費

などの支出があります。

つまり、

生活のための価値

があります。


② お金を生む不動産

例えば、

マンションを購入する。

人に貸す。

入居者から家賃を受け取る。

経費を差し引いて利益が残る。

この場合、

不動産そのものが収入を生み出します。

これが、

「収益資産」

という考え方です。


3.マイホームは「資産」ではないのか?

では、

「マイホームは資産ではない」

のでしょうか?

そんなことはありません。

マイホームには、

「住む」という大きな価値

があります。

例えば、3,000万円で家を購入したとします。

その家に30年間住めば、

「30年間、家族が安心して暮らせる場所」

を手に入れたことになります。

これは、お金に換算しにくい価値です。

さらに、

  • 好きなようにリフォームできる
  • ペットを飼いやすい
  • 庭を持てる
  • 子どもがのびのび暮らせる
  • 引っ越しの必要がない

など、

「生活の質」

という価値があります。

だから、

マイホーム=悪い投資

ではありません。

重要なのは、

「何のために家を買うのか?」

です。


4.「住むための家」は、投資だけで判断しない

投資なら、

いくら儲かるのか?

を考えます。

しかしマイホームの場合、

「そこでどんな生活をしたいのか?」

も考える必要があります。

例えば、

「子どもを育てるために、この地域に住みたい」

「親の近くに住みたい」

「駅の近くで便利に暮らしたい」

「庭のある家で暮らしたい」

という希望があります。

これらは、

金融商品の利回りでは測れない価値

です。

だから、

「家を買って儲かるか?」

だけで判断するのは適切ではありません。


5.しかし「家なら何でもいい」わけではない

ここが重要です。

マイホームは、

人生最大級の買い物

になることが多いからです。

だからこそ、

「住みたい」

という気持ちだけでなく、

「この家を買った後、自分の家計は大丈夫か?」

を考える必要があります。

例えば、

年収500万円なのに、

4,500万円の住宅ローンを組む。

購入した直後は、

「何とか払える」

かもしれません。

しかし、

  • 子どもの教育費
  • 車の買い替え
  • 病気
  • 介護
  • 失業
  • 老後資金

などが重なると、家計が苦しくなる可能性があります。


6.「買える家」と「無理なく持てる家」は違う

住宅購入では、

銀行が貸してくれる金額

と、

自分が無理なく返せる金額

は同じではありません。

例えば、

銀行が、

「4,000万円まで借りられます」

と言ったとしても、

「4,000万円借りるべき」

という意味ではありません。

大切なのは、

「将来の生活費や教育費などを考えても返済できるか?」

です。


7.住宅ローンは「未来の自分からの借金」

住宅ローンを考えるとき、こんな見方もできます。

3,000万円の家を購入する。

住宅ローンを借りる。

これから20年、30年かけて返済する。

つまり、

「未来の自分の収入を使って、今の家を買う」

ことになります。

だから、

住宅ローンを組むときは、

未来の自分の収入

まで考えなければなりません。


8.「住宅ローン=悪」ではない

ここも誤解してはいけません。

住宅ローンは、

借金だから悪い

という単純な話ではありません。

例えば、

家賃10万円を30年間払うと、

10万円 × 12か月 × 30年

3,600万円

です。

一方、

住宅ローンを返済しながら、

30年間、自分の家に住む。

そしてローンを返し終わったとき、

家が残っている。

こう考えると、

「家賃を払う」

「住宅ローンを返す」

には、それぞれ違う特徴があります。

ただし、持ち家には固定資産税や修繕費などがかかりますし、家の価値が下がる可能性もあります。

だから、

「賃貸より絶対に得」

とも、

「持ち家より賃貸が絶対に得」

とも言えません。


9.「家賃」と「住宅ローン」だけを比較してはいけない

例えば、

賃貸

家賃10万円

年間120万円


持ち家

住宅ローン10万円

年間120万円

だから、

「同じじゃないか」

と思うかもしれません。

しかし、持ち家には、

  • 固定資産税
  • 修繕費
  • 火災保険
  • 管理費
  • リフォーム費用

などがあります。

一方、賃貸には、

  • 更新料
  • 引っ越し費用
  • 家賃上昇の可能性

などがあります。

つまり、

「月々の支払い」だけではなく「生涯コスト」で比較する

ことが重要です。


10.「良い家」と「良い不動産」は違う

ここも非常に面白いポイントです。

自分にとって、

最高の家

が、

投資として、

最高の不動産

とは限りません。

例えば、

広い庭がある。

豪華な内装。

大きな浴室。

高級なキッチン。

立派な外観。

これらは、自分が住むなら魅力的です。

しかし、売却するときに、

「その分、高く売れる」

とは限りません。

一方、

駅から徒歩5分。

商業施設が近い。

病院が近い。

学校が近い。

交通が便利。

このような条件は、

将来の買い手や借り手にも評価されやすい

可能性があります。


11.「住む家」と「投資物件」の選び方は違う

マイホームでは、

自分が住みたいか?

が重要です。

投資物件では、

他人がお金を払ってでも住みたいか?

が重要になります。

この違いは非常に大きいものです。

例えば、

自分は郊外の広い庭付き住宅が好き。

でも、

投資として考えるなら、

駅近のコンパクトなマンションのほうが入居者を見つけやすい。

ということがあります。

つまり、

「自分が欲しい家」と「人がお金を払って借りたい家」は違う

のです。


12.「不動産がお金を生む仕組み」を理解する

投資用不動産の場合、基本的には、

家賃収入-経費=手元に残るお金

です。

例えば、

家賃8万円

年間家賃収入は、

8万円 × 12か月

96万円

とします。

ここから、

  • 管理費
  • 修繕費
  • 固定資産税
  • 保険
  • 空室期間
  • ローン返済
  • その他経費

などを差し引きます。

仮に年間経費が36万円なら、

96万円-36万円

60万円

です。

この60万円が、ローンなどを考慮する前の単純な収益のイメージです。

つまり、

「家賃が入る=儲かる」ではありません。


13.不動産投資で一番怖いのは「空室」

例えば、

家賃8万円の部屋。

満室なら年間96万円です。

ところが、

1年間のうち3か月空室になると、

8万円 × 9か月

72万円

まで収入が減ります。

それでも、

  • 固定資産税
  • 管理費
  • 修繕費
  • ローン

などは発生します。

だから不動産投資では、

「満室だったらいくら儲かるか?」

だけではなく、

「空室になったらどうなるか?」

を考えることが重要です。

これは、前回の「財産を守る」という教えにもつながります。


14.築古物件は「安い=お得」ではない

例えば、

1,000万円の中古住宅があるとします。

「安い!」

と思っても、

購入後に、

屋根修理 200万円

外壁修理 150万円

水回り 200万円

給排水 100万円

などが必要になれば、

購入費1,000万円+修繕費650万円

1,650万円

になります。

だから、

購入価格だけで判断してはいけません。

重要なのは、

「買った後、いくらかかるのか?」

です。


15.「不動産の価値」は3つに分けて考える

不動産を見るときは、

① 使用価値

自分が住んで、

どれだけ快適か?

② 収益価値

人に貸して、

どれだけ収入を生むか?

③ 資産価値

将来売却するとき、

いくらで売れる可能性があるか?

この3つを分けて考えると、非常に分かりやすくなります。


16.「マイホーム」と「投資用不動産」を比較すると

項目 マイホーム 投資用不動産
主な目的 自分が住む 人に貸す
価値 生活の快適さ 収益
家賃収入 なし あり
ローン 住宅ローン 投資用ローン等
空室リスク 基本的になし あり
修繕 自分で負担 所有者が負担
売却価格 重要 非常に重要
立地 自分の生活に合うか 借り手がいるか
判断基準 暮らし+家計 収益+リスク

この違いを理解しておくことが大切です。


17.では、マイホームは「資産」なのか?

答えは、

「資産にはなる。しかし、お金を生む資産とは限らない」

です。

マイホームには、

「住む」という大きな価値

があります。

そしてローンを返済すれば、

自分の資産

として残ります。

しかし、

住んでいる間に家賃収入が入ってくるわけではありません。

さらに、

固定資産税や修繕費などの維持費もかかります。

だから、

「家を持つ=自動的にお金持ちになる」

とは考えないほうがよいでしょう。


18.バビロンの教えを現代風に読み替える

『バビロンの大富豪』の「自分の住まいを持つ」という教えを、現代風に読み替えるなら、

「自分の生活基盤を安定させる」

と考えると分かりやすいでしょう。

家を買うこと自体が目的ではありません。

重要なのは、

「住居費によって人生が苦しくならないこと」

です。

そして、

「家を買った後も、貯蓄や資産形成を続けられること」

です。


19.「家を買って貯金ゼロ」は危険

例えば、

3,000万円の家を購入して、

頭金に500万円を使いました。

残った貯金は、

ほぼゼロ。

家は手に入りました。

しかし、

突然、

  • 病気
  • 失業
  • 車の故障
  • 家の修理

などが発生したらどうでしょうか?

「家はあるけれど、現金がない」

という状態になります。

だから、

住宅購入後も生活防衛資金を残す

ことが大切です。


20.「家」と「金融資産」のバランスを考える

例えば、

3,000万円の資産がある人が、

2,500万円をマイホームに使い、

500万円しか金融資産が残らない。

という状態になったとします。

家はありますが、

資産の大部分が不動産に集中

しています。

一方、

1,500万円の家を購入して、

残り1,500万円を金融資産として持つ。

という選択肢もあります。

どちらが正解とは限りません。

重要なのは、

「自分の資産が何に偏っているのか?」

を見ることです。


21.お金の病院で「住宅」を診断する

住宅購入を「お金の病院」の診察に例えてみましょう。

診察①

住宅ローンはいくら?

診察②

毎月の返済額はいくら?

診察③

固定資産税はいくら?

診察④

修繕費はいくら必要?

診察⑤

将来の教育費は?

診察⑥

老後資金は残る?

診察⑦

家を売ることになったら、いくらになりそう?

この7つを確認して、

「買った後も健康な家計を維持できるか?」

を診断します。


22.家は「人生の器」

ここまで投資として家を見てきました。

しかし、忘れてはいけないことがあります。

家は、

単なる金融商品ではありません。

家族が暮らす場所です。

朝起きる場所。

食事をする場所。

子どもが育つ場所。

家族が集まる場所。

そして、

人生の思い出が積み重なる場所

でもあります。

だから、

「何%儲かるか?」

だけで家を選ぶ必要はありません。


23.大切なのは「自分にとっての豊かさ」

例えば、

3,000万円の家に住んで、

家族と毎日楽しく暮らせる。

一方で、

2,000万円の家に住んで、

住宅ローンの負担が軽く、

毎年家族旅行に行ける。

どちらが豊かな生活でしょうか?

答えは、

人によって違います。

だからこそ、

住宅購入では、

「家そのもの」ではなく、「家を買った後の人生」

を考える必要があります。


24.マイホーム購入の「7つの質問」

家を買おうと思ったら、契約する前に次の質問をしてみましょう。

① なぜ、この家を買うのか?

② 住宅ローンはいくらまでなら無理なく返せるか?

③ 購入後も生活防衛資金は残るか?

④ 固定資産税・修繕費はいくらか?

⑤ 教育費・老後資金を確保できるか?

⑥ 将来売却するとしたら、需要はあるか?

⑦ この家を買うことで、自分の人生は豊かになるか?

最後の質問が特に重要です。


まとめ

『バビロンの大富豪』の第五の教えを現代風に考えると、

「自分の生活基盤を安定させる」

ということです。

そして、

「マイホーム」と「投資用不動産」は同じ不動産でも役割が違います。

マイホームは、

住むための資産。

投資用不動産は、

お金を生み出すことを目的とする資産。

この違いを理解することが重要です。

そして、マイホームについて一番大切なのは、

「家を買えるか?」ではなく、「家を買った後も豊かに暮らせるか?」

ということです。

家を買ったことで、

貯金がなくなる。

投資ができなくなる。

教育費が足りなくなる。

老後資金が不足する。

これでは、

「資産を手に入れたのに、生活が苦しくなる」

という本末転倒になってしまいます。

反対に、

無理のない住宅ローンを組み、

生活防衛資金を残し、

将来の教育費や老後資金も準備しながら、

家族が安心して暮らせる家を持つ。

これなら、

マイホームは「人生を豊かにする資産」

になります。

つまり、

「良い家」とは、高い家ではありません。

「良い家」とは、買った後も人生を豊かにしてくれる家です。


次回予告

【バビロンの大富豪⑥】

「将来の自分にお金を送る」

――老後になってから慌てないための「未来への仕送り」

「老後2,000万円問題」が話題になりましたが、本当に大切なのは「2,000万円」という数字ではありません。

「働けなくなったとき、どこからお金が入ってくるのか?」

という問題です。

次回は、

年金・貯蓄・投資・不動産収入

などを組み合わせながら、

「未来の自分を助けるお金の仕組み」

について考えていきます。

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