【バビロンの大富豪①】
「まず自分自身に支払う」
お金が貯まらない人が最初に変えるべき習慣
「毎月、一生懸命働いているのにお金が残らない」
「給料が入ると、家賃、光熱費、食費、カードの支払い……気がつけば残高がほとんどない」
「貯金したいけれど、余ったお金がない」
もしあなたがそう感じているなら、最初に覚えてほしいお金のルールがあります。
それが、**「まず自分自身に支払う」**という考え方です。
これは、ジョージ・S・クレイソンの名著『バビロンの大富豪』に登場する「財布を太らせる7つの教え」の第一の教えです。
古代バビロンの大富豪アルカドは、財産を築く第一歩として、収入の少なくとも10分の1を自分のために残すことを教えています。
一見すると、とても簡単です。
しかし、この「10%を先に残す」という習慣には、お金持ちになるための重要な考え方が詰まっています。
1.なぜ、一生懸命働いてもお金が残らないのか?
例えば、月30万円の給料をもらっている人を考えてみましょう。
給料日になると、
- 家賃 8万円
- 食費 5万円
- 水道光熱費 2万円
- 通信費 1万円
- 保険 2万円
- 車・交通費 3万円
- クレジットカード 4万円
- 娯楽・交際費 3万円
- その他 2万円
合計30万円。
「あれ? 給料が全部なくなってしまった」
ということになります。
そこで、
「来月から節約しよう」
と思います。
ところが、翌月になると、
「今月はちょっと出費が多かった」
となります。
そしてまた、
給料30万円 → 支出30万円 → 貯金0円
となります。
これを何年続けても、財産は増えません。
2.「残ったら貯金」では、お金は残らない
ここが非常に重要です。
多くの人は、
貯金=収入-支出
と考えています。
つまり、
「生活費を全部払って、余ったら貯金しよう」
という考え方です。
しかし、この方法には大きな問題があります。
人間は、
「残っているお金があると、そのお金を使ってしまう」
からです。
給料が20万円なら20万円使う。
30万円なら30万円使う。
40万円なら40万円使う。
収入が増えると、生活水準も一緒に上がっていきます。
『バビロンの大富豪』でも、「必要な支出」と「欲望」を混同してしまうことが、お金が残らない原因として描かれています。
3.そこで「順番」を逆にする
バビロンの大富豪の考え方は、とてもシンプルです。
今まで、
収入 → 支出 → 残ったら貯金
だったものを、
収入 → 先に貯金 → 残ったお金で生活
に変えます。
例えば月30万円なら、
30万円 × 10% = 3万円
です。
給料が入った瞬間に、
3万円を別の口座へ移す。
そして、
27万円で生活する。
これが「まず自分自身に支払う」ということです。
4.「自分自身に支払う」とは、どういう意味なのか?
ここが、この教えの一番面白いところです。
給料をもらったら、まず、
家賃を払います。
電気代を払います。
携帯電話代を払います。
クレジットカード会社に払います。
スーパーにも払います。
保険会社にも払います。
税金も払います。
つまり、多くの人は、
自分以外の人にはきちんと支払っているのに、自分には何も残していない
のです。
そこで、
「自分にも給料を払おう」
と考えます。
その金額が、まずは10%です。
これは単なる貯金ではありません。
「将来の自分のために働いたお金を、自分自身に返す」
という考え方なのです。
5.月30万円なら、10年間でどうなる?
では、具体的に計算してみましょう。
毎月30万円の収入があり、その10%を貯めるとします。
毎月
30万円 × 10% = 3万円
1年間
3万円 × 12か月 = 36万円
5年間
36万円 × 5年 = 180万円
10年間
36万円 × 10年 = 360万円
つまり、投資による利益を一切考えなくても、
10年間で360万円
になります。
もちろん、実際には税金・社会保険料・収入の変動などがありますので、これは単純化した例です。
それでも、
「毎月3万円を先に残す」
という小さな習慣が、10年後には大きな金額になることが分かります。
6.「10%も貯められない」という人へ
ここで、
「月30万円なら3万円ですが、そんな余裕はありません」
という人もいるでしょう。
その場合、無理をして生活を破綻させる必要はありません。
例えば、
1%から始める
方法もあります。
月30万円なら、
30万円 × 1% = 3,000円
です。
「たった3,000円?」
と思うかもしれません。
しかし、最初に重要なのは金額だけではありません。
重要なのは、
「給料をもらったら、必ず自分のためのお金を先に残す」
という習慣を作ることです。
3,000円から始めて、
5%、
そして10%へ。
余裕が出てきたら、
15%、20%
と増やしていく。
このように、自分の家計に合わせて段階的に取り組むことが現実的です。
7.おすすめは「別の口座」に移すこと
ここで大切なのが、
「意思の力に頼らない」
ことです。
給料が入ったら、
3万円を貯蓄用口座へ自動的に移す。
そして、その口座は普段使わない。
これだけでもかなり変わります。
例えば、
給料日
30万円入金
↓
自動的に
3万円 → 貯蓄口座
27万円 → 生活口座
↓
生活
27万円以内でやりくりする
という仕組みです。
「余ったら貯金する」のではなく、
「先に貯金して、残ったお金で生活する」
のです。
8.最初の目標は「100万円」ではなく「習慣」
ここも大切です。
最初から、
「100万円貯めるぞ!」
と考えると、途中で苦しくなるかもしれません。
まず目指したいのは、
「給料が入ったら必ず先に自分のお金を取り分ける」
という習慣です。
例えば、
1か月目 3万円
2か月目 3万円
3か月目 3万円
……
というように続けます。
すると、
「貯めること」が特別な行動ではなくなります。
歯を磨くように、
お金を貯めることが生活の一部になる
のです。
9.実は「10%」より重要なものがある
ここで一つ注意があります。
『バビロンの大富豪』の10%という数字だけを覚えると、本質を見失います。
大切なのは、
「10%という数字」そのものではありません。
本当に重要なのは、
収入が入ったときに、自分の将来のためのお金を最優先する
という考え方です。
つまり、
貯金の習慣を作ること
が第一の目的です。
10.貯金した3万円は「使ってはいけないお金」なのか?
ここも誤解しやすいところです。
この3万円は、
「一生使ってはいけないお金」
という意味ではありません。
むしろ、
将来の自分を豊かにするためのお金
です。
例えば、
- 緊急時の生活資金
- 教育資金
- 老後資金
- 住宅購入
- 資格取得
- 自己投資
- 投資資金
などに使うことができます。
つまり、
今の自分が全部使ってしまうのではなく、未来の自分にもお金を渡してあげる
ということです。
11.「自分に支払う」と「浪費」は違う
ここは非常に重要です。
「自分に支払う」という言葉を、
「自分へのご褒美を買う」
という意味だと考えてはいけません。
例えば、
「頑張ったから高級時計を買おう」
というのは消費です。
一方、
「頑張ったから3万円を将来の自分のために残そう」
というのが、この教えです。
つまり、
未来の自分を大切にする
ということです。
12.「貯金」から「資産形成」へ
ここまでできるようになったら、次の段階があります。
それが、
「貯めたお金を働かせる」
ことです。
例えば、
毎月3万円を貯める。
↓
1年間で36万円。
↓
そのお金を将来のための資産として運用する。
↓
利益が出れば、それも再投資する。
このように、
収入 → 貯蓄 → 投資 → 資産形成
という流れを作ります。
ただし、投資には元本割れなどのリスクがあります。
「10%貯める」という第一の教えと、「そのお金をどう運用するか」は別の問題です。
投資については、次の段階で慎重に学ぶ必要があります。
13.今日からできる「10%ルール」
では、実際にやってみましょう。
STEP1
自分の月収を確認する。
例えば、
30万円
とします。
STEP2
10%を計算する。
30万円 × 10%
= 3万円
STEP3
貯蓄用口座を作る。
STEP4
給料日に3万円を移す。
STEP5
残った27万円で生活する。
これだけです。
難しい投資の知識は必要ありません。
株式市場を分析する必要もありません。
金融商品を選ぶ必要もありません。
まずは、
「先に残す」
ことから始めます。
14.1年間続けたら、自分の「お金の健康診断」をする
1年後に、一度振り返ってみましょう。
例えば、
収入
年間360万円
先取り貯蓄
36万円
年末残高
36万円以上
となっていれば、第一歩は成功です。
そして、次に考えます。
「なぜ36万円貯められたのか?」
「どの月に使いすぎたのか?」
「もっと貯めるにはどうすればいいか?」
これが、
お金の健康診断
になります。
15.「お金の病院」で考えると分かりやすい
人間の健康では、
「健康になりたい」
と思うだけでは健康になりません。
毎日の食事や運動が大切です。
お金も同じです。
「お金持ちになりたい」
と思うだけでは、財産は増えません。
毎月、
「先に自分のお金を残す」
という習慣が必要です。
つまり、
お金の病院の第一処方箋
「給料が入ったら、まず自分に10%を支払う」
です。
これが、お金の健康づくりの第一歩になります。
16.今日から始める「未来の自分への給料」
最後に、こんな風に考えてみてください。
あなたが今働いているとします。
会社から給料をもらいます。
その給料は、
「今の自分が働いた結果」
です。
しかし、あなたにはもう一人、
「未来の自分」
がいます。
5年後の自分。
10年後の自分。
20年後の自分。
その未来の自分も、きっとお金を必要とします。
だから、給料をもらったら、
今の自分だけで全部使ってしまうのではなく、未来の自分にも給料を渡す。
その最初の金額が、
10%
なのです。
まとめ
『バビロンの大富豪』の第一の教えは、
「収入の一部を、まず自分自身のために残す」
という、とてもシンプルな教えです。
しかし、その意味は深いものがあります。
お金が残らない人
収入 → 支出 → 残ったら貯金
お金を育てる人
収入 → 先に貯金 → 残ったお金で生活
この「順番」を変えるだけで、お金との付き合い方が変わります。
そして最も大切なのは、
「10%貯めること」ではなく、「未来の自分を最初に大切にする習慣」を身につけること。
です。
今日、給料が30万円なら3万円。
20万円なら2万円。
10万円なら1万円。
それが難しければ、まず1%でも構いません。
小さく始めて、続ける。
そして、
「残ったら貯める」から「先に貯めて、残ったお金で生活する」へ。
これが、あなたの「お金の病院」の第一歩です。
次回予告
【バビロンの大富豪②】
「欲しいもの」と「必要なもの」を混同していませんか?
――なぜ収入が増えても、お金が貯まらないのか。
次回は、第二の教え、
「支出をコントロールする」
について、具体的な家計の例を使って考えていきます。


コメント