【バビロンの大富豪④】 「財産を失わないためには?」 ――「絶対に儲かる」はなぜ危険なのか?

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【バビロンの大富豪④】

「財産を失わないためには?」

――「絶対に儲かる」はなぜ危険なのか?

「この投資なら絶対に儲かります」

「元本保証で、年10%の利益が出ます」

「今だけの特別な案件です」

「友人もみんな儲かっています」

もし、こんな話をされたら、あなたはどうしますか?

「そんなうまい話があるわけがない」

と思う人もいるでしょう。

ところが、実際に投資を始めると、

「もっと儲けたい」

という気持ちが強くなり、冷静な判断が難しくなることがあります。

『バビロンの大富豪』の第四のテーマは、

「財産を失わない」

という、とても重要な考え方です。

お金を増やすことばかり考えていると、

「どうすれば儲かるか?」

に目が向きます。

しかし、本当に大切なのは、

「どうすれば大切なお金を失わずに済むのか?」

という視点です。


1.100万円を作るより、100万円を失わないほうが大切?

例えば、100万円を持っているとします。

ある投資で、

「50%儲かります!」

と言われました。

そこで100万円を投資します。

ところが、予想に反して、

50万円の損失

が出てしまいました。

手元には50万円しか残りません。

ここから元の100万円に戻すには、

50万円を100万円にしなければなりません。

つまり、

100%の利益

が必要になります。

これが、

「大きな損失を取り戻すのは難しい」

という投資の基本です。

だからこそ、

「大きく儲ける」より「大きく失わない」

ことが重要なのです。


2.「絶対に儲かる」が危険な理由

投資には、

リスク

があります。

株価は上がることもあれば、下がることもあります。

不動産価格も変動します。

事業も成功するとは限りません。

つまり、

将来の結果を100%確実に予測することはできません。

それなのに、

「絶対に儲かる」

「必ず利益が出る」

「絶対に損しない」

と言い切る人がいたら、

まず、

「なぜ絶対なのか?」

と考える必要があります。

もちろん、法律や制度によって元本保証が認められている金融商品などもあります。

しかし、

高い利益と完全な安全性が同時に保証される

という話には、特に慎重になるべきです。


3.「高利回り」には理由がある

例えば、

銀行預金の金利が低いのに、

「この投資なら年20%です」

と言われたら、魅力的に感じるでしょう。

しかし、ここで考えなければなりません。

「なぜ20%も利益が出るのか?」

ということです。

例えば、

100万円を年20%で運用できれば、

1年で20万円。

10年なら単純計算で200万円の利益です。

そんなに高い収益が安定して得られるなら、

「誰でもお金持ちになれるのでは?」

と思いませんか?

高い収益を狙える投資には、通常、それに見合ったリスクがあります。

だから、

「高い利回り=悪い投資」ではないが、「高い利回り=安全」と考えてはいけない。

ということを覚えておきましょう。


4.「友人が儲かった」は投資理由にならない

よくあるのが、

「知り合いが投資して儲かった」

という話です。

例えば、

「○○さんが100万円投資して、半年で130万円になった」

と聞いたとします。

「自分もやってみようかな」

と思うかもしれません。

しかし、

その人が儲かったからといって、自分も儲かるとは限りません。

なぜなら、

  • 投資した時期
  • 購入価格
  • 売却価格
  • 投資金額
  • リスク
  • 手数料

などが違うからです。

さらに、

儲かった人だけが話している

可能性もあります。

10人投資して、

2人が儲かり、

8人が損をしていたとしても、

「儲かった2人」の話だけが広がれば、

「みんな儲かっている」

ように見えてしまいます。


5.SNSの「成功者」に注意する

現在は、SNSで、

「投資で1億円達成!」

「毎月100万円の不労所得!」

「初心者でも簡単に稼げます!」

という情報を目にすることがあります。

もちろん、本当に成功している人もいるでしょう。

しかし、

その情報だけで投資を判断してはいけません。

なぜなら、

「成功した結果」だけが見えていて、「そこに至るまでの失敗」が見えない

ことがあるからです。

例えば、

「1,000万円儲かった」

という人が、

その前に500万円損していたかもしれません。

重要なのは、

結果だけではなく、リスクと過程を見ること

です。


6.「元本保証」と「高利回り」は別物

ここも重要です。

「元本保証」という言葉を聞くと、

「絶対安全」

と思ってしまいがちです。

しかし、

誰が保証するのか?

を確認する必要があります。

また、

「元本保証だから安心」

と言われても、

高い利益まで同時に保証されるとは限りません。

金融商品には、

  • 元本保証の有無
  • 利益の変動
  • 手数料
  • 換金性
  • 契約期間
  • 発行者・運用者の信用

など、確認すべきポイントがあります。

「保証」という一言だけで安心しない。

これが重要です。


7.投資する前に「3つの質問」をする

投資を検討するときは、最低でも次の3つを自分に問いかけてください。

質問①

「何に投資しているのか?」

株なのか?

債券なのか?

不動産なのか?

事業なのか?

暗号資産なのか?

よく分からないものには、お金を出さない。


質問②

「どうやって利益が生まれるのか?」

例えば株式なら、

企業が利益を上げる。

企業価値が高まる。

株価上昇や配当などにつながる可能性がある。

という仕組みがあります。

一方、

「人を紹介すれば利益が増える」

「お金を預けるだけで毎月20%」

などの場合は、

「その利益は、いったいどこから生まれているのか?」

を考える必要があります。


質問③

「最悪の場合、いくら失うのか?」

これは非常に重要です。

「いくら儲かるか?」

ではなく、

「いくら損する可能性があるか?」

を先に考えます。

100万円投資して、

「最大で20万円損する可能性がある」

のか、

「最悪の場合100万円全部失う」

のか。

この違いは非常に大きいものです。


8.「分からないものには投資しない」

『バビロンの大富豪』の教えを現代風に表現するなら、

「自分が理解できないものに、大切なお金を預けない」

ということです。

例えば、

「AIを使った最新の投資システム」

「海外の特別な金融商品」

「暗号資産を使った秘密の運用」

などと説明されても、

自分が仕組みを理解できないなら、

「分からないので今回はやめておきます」

でいいのです。

投資の世界では、

「分からないことを分からないままにしておく勇気」

も大切です。


9.「急いでください」は危険信号

もう一つ注意したい言葉があります。

それが、

「今だけです」

です。

例えば、

「今日中に申し込んでください」

「あと3人です」

「この価格は今日まで」

「今決断しないと二度と買えません」

など。

人間は、

「今しかない」

と言われると、冷静な判断が難しくなります。

だからこそ、

お金の話ほど、

「一晩考える」

ことが重要です。

本当に良い投資なら、

一晩考えただけで価値がなくなるとは限りません。


10.「借金して投資」は特に慎重に

「100万円借りて投資すれば、200万円になります」

という話をされたら、どうでしょうか?

非常に危険です。

なぜなら、

投資の損失+借金の返済

という二重の負担になるからです。

例えば、

100万円を借りて投資。

投資額が70万円になる。

30万円の損失。

それでも100万円の借金は返さなければならない。

このように、

投資のリスクと借金のリスクは別々に存在します。

「投資で返せばいい」

という考え方は非常に危険です。


11.「分散」という考え方

財産を守るためには、

一つに集中しない

ことも重要です。

例えば、

1000万円すべてを、

一つの会社の株に投資する。

その会社に大きな問題が起きれば、

資産全体が大きく影響を受けます。

一方、

異なる資産・地域・商品などに分散すれば、

一つの投資先の影響を抑えられる可能性があります。

これが、

分散投資

です。

ただし、

分散すれば絶対に損をしないわけではありません。

あくまでも、

「一つの失敗で全財産を失わないようにする」

ための考え方です。


12.「全部投資しない」という選択肢

例えば、1000万円の貯金があるとします。

「全部投資したほうが効率がいい」

と考える人もいるでしょう。

しかし、

近いうちに住宅購入や介護、医療などで使う予定があるなら、

そのお金まで値動きのある資産に入れる必要はありません。

大切なのは、

「そのお金をいつ使うのか?」

です。

近い将来使うお金と、

10年、20年先まで使わないお金では、

適した管理方法が違います。


13.「投資の前に、自分の生活を守る」

資産形成で最初に守るべきものは、

投資資金ではなく、生活そのもの

です。

例えば、

突然仕事を失ったとします。

そのとき、

「株はたくさん持っているけれど、現金がない」

という状態では困ります。

だから、

生活に必要なお金を確保した上で、余裕資金で長期的な資産形成を考える

ことが大切です。


14.「損をしない」ではなく「致命傷を負わない」

投資をする以上、

損失を完全にゼロにすることは難しい

でしょう。

だから目標を、

「絶対に損をしない」

とするのではなく、

「一度の失敗で人生を壊さない」

と考えることが大切です。

例えば、

100万円の投資で10万円損をした。

これは痛いですが、

生活を立て直せる可能性があります。

しかし、

1000万円の全財産を一つの投資に入れて、

それがゼロになったら、

生活そのものが大きく変わってしまいます。

だから、

「致命的な損失を避ける」

という考え方が重要なのです。


15.財産を守る「7つのチェックポイント」

投資をする前に、次の7つを確認しましょう。

① 何に投資するのか分かっているか?

分からないなら投資しない。

② 利益がどこから生まれるのか説明できるか?

仕組みを理解する。

③ 最悪の場合、いくら失うのか?

利益より先に損失を見る。

④ 「絶対」「確実」と言われていないか?

断定的な利益保証には注意する。

⑤ 急かされていないか?

「今すぐ」は危険信号。

⑥ 借金していないか?

借金と投資リスクを重ねない。

⑦ 一つに集中していないか?

分散を考える。


16.お金持ちは「儲け話」より「失敗」を研究する

ここが、今回の教えの本質です。

お金を増やしたい人は、

「どの株が上がる?」

「どの不動産が儲かる?」

「どの投資信託がいい?」

と考えます。

もちろん、それも必要です。

しかし、本当に財産を守る人は、

「どういう失敗をすると財産を失うのか?」

を考えます。

例えば、

  • 知識のない投資
  • 一点集中
  • 借金による投資
  • 過度なレバレッジ
  • 詐欺
  • 手数料の高い商品
  • 焦って購入する
  • 「絶対儲かる」を信じる

などです。

つまり、

「儲ける技術」だけでなく「失敗を避ける技術」

を身につけるのです。


17.「お金の病院」で考えてみる

今回の教えを「お金の病院」に置き換えると、とても分かりやすくなります。

人間の健康では、

病気になってから治すより、病気を予防する

ほうが大切です。

お金も同じです。

資産を失ってから、

「どうすれば取り戻せるか?」

と考えるより、

「どうすれば大きな損失を防げるか?」

を考える。

つまり、

お金の健康診断

「この投資は安全なのか?」

お金の予防接種

「分散する・勉強する・専門家に相談する」

お金の生活習慣

「欲張らない・焦らない・借金しない」

という考え方です。


18.「お金を守る人」の口ぐせ

財産を守る人は、

「絶対に儲かる?」

ではなく、

「リスクは何ですか?」

と聞きます。

「どれくらい儲かりますか?」

だけではなく、

「最悪の場合どうなりますか?」

と聞きます。

「今すぐ申し込んだほうがいい?」

ではなく、

「一晩考えます」

と言います。

「みんなやっています」

と言われたら、

「自分に合っているか?」

を考えます。

この習慣が、

財産を守る力

になります。


まとめ

『バビロンの大富豪』から学ぶ第四の教えは、

「財産を失わない」

ということです。

お金を増やすことは大切です。

しかし、

100万円を作ることより、100万円を失わないことのほうが大切な場合があります。

そのためには、

①「絶対に儲かる」を疑う

② 高い利回りには理由があると考える

③ 分からないものには投資しない

④ 利益より先に「最悪の場合」を考える

⑤ 借金による投資を避ける

⑥ 一つの投資に集中しすぎない

⑦ 急かされたら、一度立ち止まる

ことが大切です。

そして、最も重要なのは、

「儲けること」より「致命的な失敗をしないこと」。

この考え方です。

投資の世界では、

「もっと儲けたい」

という欲望が、判断を狂わせることがあります。

だからこそ、

欲張らない。焦らない。分からないものには手を出さない。

この3つを守るだけでも、財産を守る力は大きく変わります。


次回予告

【バビロンの大富豪⑤】

「マイホームは本当に資産なのか?」

――「住むための家」と「お金を生む不動産」は何が違う?

次回は、バビロンの教えの一つである**「自分の住まいを持つこと」**について、現代の日本に置き換えて考えます。

「持ち家と賃貸、どちらが得?」

「住宅ローンは借金なのか、それとも資産形成なのか?」

「築古住宅を買うのは投資になるのか?」

など、現代の住宅問題と「バビロンの大富豪」の教えを結びつけて考えてみます。

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