【バビロンの大富豪⑥】
「将来の自分にお金を送る」
――老後になってから慌てないための「未来への仕送り」
「老後のお金が心配です」
「年金だけで生活できるでしょうか?」
「今から老後資金を準備したほうがいいですか?」
人生100年時代と言われる今、多くの人が一度は考える問題ではないでしょうか。
しかし、老後のお金について考えるとき、どうしても、
「老後になったらどうするか?」
と考えてしまいます。
実は、もっと大切な考え方があります。
それが、
「今の自分から、将来の自分にお金を送る」
という考え方です。
これは、『バビロンの大富豪』の教えを現代の生活に置き換えると、とても分かりやすい考え方です。
1.「未来の自分」は別人ではない
ちょっと想像してみてください。
あなたが今60歳だとします。
10年後は70歳。
20年後は80歳です。
では、80歳になった自分を想像してみてください。
今の自分と80歳の自分は、別人でしょうか?
もちろん、違います。
しかし、
今の自分が作った人生を、未来の自分が引き継いでいる
のです。
今、お金を使い切ってしまえば、
そのツケを未来の自分が払う
ことになります。
逆に、今少しずつお金を残しておけば、
未来の自分が、そのお金に助けてもらう
ことができます。
だから、
貯蓄とは、「今の自分が未来の自分に送る仕送り」
と考えることができます。
2.「未来の自分」への仕送り
例えば、毎月2万円を将来のために残すとします。
1年間では、
2万円 × 12か月 = 24万円
です。
10年間なら、
240万円
になります。
20年間なら、
480万円
です。
もちろん、実際には投資による利益や税金、物価上昇なども考える必要があります。
しかし、
毎月少しずつ未来にお金を送る
という習慣そのものが大切なのです。
3.なぜ人は「未来」より「今」を優先してしまうのか?
人間は、
今の欲求
に強く反応します。
「旅行に行きたい」
「新しいスマートフォンが欲しい」
「おいしいものを食べたい」
「車を買いたい」
どれも今の自分にとっては魅力的です。
一方、
「30年後の老後のために貯金しよう」
というのは、あまり楽しくありません。
30年後の自分は、まだ目の前にいないからです。
そこで、
「今の自分」と「未来の自分」を一人の人間として考える
ことが重要になります。
未来の自分も、
今の自分と同じように生活しなければならない
のです。
4.「老後資金」は突然必要になるわけではない
老後になった瞬間、
突然、
「老後資金を1,000万円用意してください」
と言われるわけではありません。
現役時代に、
毎月少しずつ準備していくものです。
例えば、
毎月3万円を20年間貯めれば、
3万円 × 12か月 × 20年
= 720万円
です。
毎月5万円なら、
1,200万円
になります。
もちろん、実際には物価や運用などの影響があります。
しかし、
「毎月いくら未来に送るか?」
と考えると、老後資金がぐっと身近になります。
5.「1,000万円」より「毎月いくら」が大切
老後資金について、
「1,000万円必要」
「2,000万円必要」
という数字をよく見かけます。
しかし、数字だけを見ていると、
「そんな大金、どうやって作るの?」
と不安になってしまいます。
そこで考え方を変えます。
「毎月いくらなら未来の自分に送れるか?」
です。
例えば、
毎月1万円。
↓
年間12万円。
↓
20年間で240万円。
これなら、
「自分にもできるかもしれない」
と思えるのではないでしょうか。
6.「先取り貯蓄」が未来を守る
では、どうやって未来への仕送りをするのでしょうか?
一番簡単なのが、
「先取り」
です。
給料が30万円入ったとします。
そこから生活費を使い、
「余ったら貯金しよう」
と考える。
これは、なかなか貯まりません。
なぜなら、
お金は余らないからです。
そこで、
給料30万円
↓
最初に3万円を未来へ送る
↓
残り27万円で生活する
という仕組みにします。
これが、
先取り貯蓄
です。
7.「余ったら貯金」ではなく「先に貯金」
例えば、
方法①
30万円もらう
↓
全部使う
↓
「余ったら貯金」
↓
0円
方法②
30万円もらう
↓
3万円を貯金
↓
27万円で生活
↓
未来の自分に3万円を送る
この違いです。
金額よりも、
順番
が重要なのです。
8.未来への仕送りは「自動化」する
さらに効果的なのが、
自動化
です。
給料が入ったら、
自動的に一定額を別の口座へ移す。
こうすると、
「貯金しよう」
と毎月決意する必要がありません。
人間の意思は、疲れたり、誘惑に負けたりします。
だから、
意思ではなく仕組みで貯める
のです。
9.「未来への仕送り」を3つに分ける
未来の自分に送るお金は、全部同じではありません。
例えば、
① 近い未来のお金
数年以内に使うお金。
- 車
- 家の修理
- 引っ越し
- 大きな買い物
などです。
② もしものためのお金
- 病気
- 失業
- 災害
- 急な出費
などに備えるお金です。
③ 遠い未来のお金
- 老後
- 介護
- 長寿への備え
などです。
つまり、
「未来」といっても、時間軸を分ける
ことが大切です。
10.老後のお金は「3本の柱」で考える
老後の生活を支えるお金は、大きく考えると、
① 公的年金
国の年金制度から受け取るお金。
↓
② 自分で作った資産
- 預貯金
- 株式
- 投資信託
- 個人年金
- 不動産
など。
↓
③ 働いて得る収入
定年後も働く場合の収入です。
この3つを組み合わせることで、
「年金だけに頼らない生活」
を考えることができます。
11.「老後=働かない」とは限らない
以前は、
60歳や65歳で定年。
↓
仕事を辞める。
↓
年金で生活。
というイメージが強くありました。
しかし現在は、
「働ける間は働く」
という選択肢もあります。
例えば、
週5日働いていた人が、
週3日にする。
あるいは、
午前だけ働く。
資格や経験を活かして、
小さな仕事をする。
こうすると、
収入+年金+資産
という生活設計ができます。
12.老後に必要なのは「お金」だけではない
ここも重要です。
老後の生活を考えるとき、
「いくら必要か?」
だけでは不十分です。
例えば、
毎月30万円必要な人と、
毎月20万円で満足できる人では、
必要な老後資金が違います。
つまり、
「どんな老後を送りたいのか?」
を先に考える必要があります。
13.「老後の夢」を数字にする
例えば、
「夫婦で旅行したい」
と思ったとします。
年に2回、
1回20万円なら、
年間40万円。
10年間なら、
400万円
です。
「趣味に毎月2万円使いたい」
なら、
年間24万円。
10年間で、
240万円
です。
このように、
夢を数字に変える
ことで、
「老後にいくら必要なのか?」
が見えてきます。
14.「老後資金」ではなく「老後の生活費」を考える
老後資金という言葉を聞くと、
「何千万円も必要」
と思ってしまいます。
しかし、重要なのは、
毎月いくら不足するのか?
です。
例えば、
老後の生活費が月25万円。
年金が月20万円。
なら、
不足額は、
月5万円
です。
年間では、
60万円
になります。
20年間なら、
単純計算で、
1,200万円
です。
もちろん、実際には税金、社会保険料、物価、年金額、運用収益なども考慮する必要があります。
しかし、
「必要な老後資金=毎月の不足額×必要な期間」
と考えると、非常に分かりやすくなります。
15.「老後2,000万円」という数字だけに振り回されない
「老後2,000万円」という言葉が一時期、大きな話題になりました。
しかし、
すべての人に2,000万円必要という意味ではありません。
生活費も違います。
住んでいる場所も違います。
持ち家か賃貸かも違います。
年金額も違います。
働き続けるかどうかも違います。
だから、
「自分の場合はいくら必要なのか?」
を計算することが重要です。
16.「未来への仕送り」は投資でもできる
貯金だけではありません。
長期間使わないお金なら、
資産運用
という方法もあります。
例えば、
毎月一定額を積み立て、
長期的に運用する。
利益が出た場合、それを再投資する。
すると、
元本+運用益+再投資による効果
によって、資産を育てられる可能性があります。
ただし、
投資には元本割れのリスクがあります。
「老後資金だから絶対安全」
というわけでもありません。
だからこそ、
いつ使うお金なのか
を考えて運用方法を選ぶことが重要です。
17.時間は「最大の味方」
資産形成では、
時間
が大きな力になります。
例えば、
20年間積み立てる人と、
5年間で一気に貯めようとする人では、
毎月必要な金額が大きく違います。
さらに、長期間の運用では、
複利
の効果を期待できる場合があります。
つまり、
早く始めるほど、時間を味方につけやすい
のです。
18.でも「遅すぎる」ことはない
一方で、
「もう50歳だから遅い」
「60歳だから今さら無理」
と考える必要もありません。
残された時間に合わせて、
計画を作り直せばいいのです。
例えば、
60歳なら、
60歳から90歳までの30年間
を考えることもできます。
重要なのは、
「何歳からでも、自分の未来を計画する」
ことです。
19.「未来の自分」に手紙を書く
一度、こんなことをやってみてください。
10年後の自分へ
「私はどんな生活をしていますか?」
20年後の自分へ
「健康に暮らしていますか?」
30年後の自分へ
「お金に困っていませんか?」
そして、
「今の自分に、何をしてほしいですか?」
と未来の自分に聞いてみるのです。
すると、
「少し貯金しておいてほしい」
「健康を大切にしてほしい」
「借金を増やさないでほしい」
「勉強を続けてほしい」
など、いろいろな答えが出てくるかもしれません。
20.未来の自分は「他人」ではない
ここが今回の一番大切なポイントです。
私たちは、
「老後のために貯金する」
と言います。
しかし、
本当は、
「未来の自分のために貯金する」
のです。
70歳の自分も、
80歳の自分も、
90歳の自分も、
今の自分からつながっています。
だから、
今日の1万円は、未来の自分へのプレゼント
と考えることができます。
21.「未来への仕送り」を始める5つの方法
今日からできる方法をまとめてみましょう。
STEP1 未来の生活を想像する
「どんな老後を送りたいのか?」
を考える。
↓
STEP2 必要なお金を計算する
毎月いくら必要か?
年金はいくらか?
不足はいくらか?
↓
STEP3 毎月の仕送り額を決める
5,000円でも、
1万円でも、
3万円でも構いません。
↓
STEP4 自動的に積み立てる
意思ではなく、
仕組み
にする。
↓
STEP5 定期的に見直す
収入や家族構成、物価などが変わったら、
計画も変更します。
22.「お金の病院」で老後を健康診断する
老後資金も、
健康診断
のように考えると分かりやすくなります。
現在の収入
↓
現在の支出
↓
現在の資産
↓
将来の年金
↓
将来の生活費
↓
老後の不足額
↓
今から準備する金額
この順番で確認します。
すると、
「老後がなんとなく不安」
という状態から、
「毎月○万円準備すればいい」
という具体的な計画に変わります。
23.本当に怖いのは「老後」ではない
実は、
老後そのものが怖いのではありません。
怖いのは、
準備をしないまま老後を迎えること
です。
若いときから少しずつ準備していれば、
未来の不安は小さくできます。
そして、準備はお金だけではありません。
- 健康
- 仕事
- 人間関係
- 趣味
- 生きがい
も大切です。
つまり、
豊かな老後とは、お金だけで作るものではありません。
24.バビロンの大富豪から学ぶ「未来への仕送り」
これまでの教えを振り返ってみましょう。
第1の教え
収入の一部を自分のために残す
↓
第2の教え
欲望をコントロールする
↓
第3の教え
貯めたお金を働かせる
↓
第4の教え
財産を失わない
↓
第5の教え
自分の生活基盤を安定させる
↓
そして第6の教えは、
「将来の自分にお金を送る」
です。
つまり、
今日の自分だけでなく、未来の自分も大切にする。
これが資産形成の本質なのかもしれません。
まとめ
老後資金について考えると、
「何千万円必要なのだろう?」
と不安になりがちです。
しかし、もっとシンプルに考えてみましょう。
「今の自分から、未来の自分へ毎月いくら送るか?」
これが今回のテーマです。
毎月1万円でもいい。
5,000円でもいい。
収入が増えたら、少し増やす。
ボーナスが出たら、一部を未来に送る。
そして、そのお金を、
貯める・守る・育てる。
この習慣が、未来の自分を助けてくれます。
今日から始める「未来への仕送り」
最後に、紙に3つ書いてみてください。
① 未来の自分は、どんな生活をしたい?
② そのために、毎月いくら必要?
③ 今の自分は、毎月いくら未来へ送れる?
そして、
今日から最初の1万円を「未来の自分」の口座に送ってみる。
それが、資産形成の第一歩です。
次回予告
【バビロンの大富豪⑦】
「自分の能力を高める」
――最大の資産は「自分自身」だった
お金を貯める。
お金を投資する。
不動産を持つ。
これらも大切です。
しかし、もっと大きな資産があります。
それは、
「自分自身」
です。
資格を取る。
新しい技術を学ぶ。
AIを使えるようになる。
健康を維持する。
人とのつながりを作る。
これらによって、**自分自身の「稼ぐ力」「選ぶ力」「守る力」**を高めることができます。
次回は、バビロンの大富豪の教えを現代の「リスキリング」「AI時代の働き方」「生涯学習」に結びつけて考えてみます。

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