賃貸不動産経営管理士、2021年度第26問~50問/解答解説

賃貸不動産経営管理士、2021年度第26問~50問/解答解説 勉強
賃貸不動産経営管理士は国家試験になって難しくなってきていますので、早めに合格するのが良いかもしれません。​​​​​​​​​​​​​​賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度26問から30問解答解説です。前半の問題も最後に案内していますのでこちらもご覧ください。
  1. 賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度26問から30問解答解説
    1. 【問 26】 定期建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれ か。
    2. 【問 27】 Aを貸主、Bを借主とする建物賃貸借においてCを連帯保証人と する保証契約に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。た だし、それぞれの選択肢に記載のない事実はないものとする。
    3. 【問 28】 Aを貸主、Bを借主とする賃貸住宅(以下、「甲建物」という。) の所有権がCに移転した場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ か。ただし、それぞれの選択肢に記載のない事実はないものとする。
    4. 【問 29】 管理業法における賃貸住宅に関する次の記述のうち、誤っている ものはどれか。
    5. 【問 30】 管理業法における管理業務に関する次の記述のうち、誤っている ものはどれか。
  2. 賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度31問から35問解答解説
    1. 【問 31】 管理業法における賃貸住宅管理業者の業務に関する次の記述のう ち、誤っているものはどれか。
    2. 【問 32】 管理業法における登録及び業務に関する次の記述のうち、正しい ものはどれか。
    3. 【問 33】 特定賃貸借標準契約書(国土交通省不動産・建設経済局令和3年 4月 23 日更新。以下、各問において同じ。)に関する次の記述のうち、最も適切 なものはどれか。ただし、特約はないものとする。
    4. 【問 34】 特定賃貸借標準契約書に関する次の記述のうち、最も不適切なも のはどれか。ただし、特約はないものとする。
    5. 【問 35】 特定転貸事業者の貸主への報告に関する次の記述のうち、特定賃 貸借標準契約書によれば最も適切なものはどれか。ただし、特約はないものと する。
  3. 賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度36問から40問解答解説メモ
    1. 【問 36】 特定転貸事業者が特定賃貸借契約を締結したときに賃貸人に対し て交付しなければならない書面(以下、「特定賃貸借契約締結時書面」という。) に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
    2. 【問 37】 特定転貸事業者が特定賃貸借契約を締結しようとするときに契約 の相手方となろうとする者に説明しなければならない事項に関する次の記述の うち、正しいものはいくつあるか。
    3. 【問 38】 特定転貸事業者が、特定賃貸借契約を締結しようとする際に行う 相手方への説明に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
    4. 【問 39】 特定転貸事業者が特定賃貸借契約の条件について広告をする際に 禁止される行為に当たるものに関する次の記述のうち、正しいものはいくつあ るか。
    5. 【問 40】 特定賃貸借契約の締結について不当な勧誘を禁止される「勧誘者」 に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
  4. 賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度41問から45問解答解説
    1. 【問 41】 特定賃貸借契約の適正化のための国土交通大臣の監督に関する次 の記述のうち、誤っているものはどれか。
    2. 【問 42】 賃貸住宅の管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
    3. 【問 43】 賃貸不動産経営管理士の業務に関する次の記述のうち、最も不適 切なものはどれか。
    4. 【問 44】 宅地建物取引業におけるおとり広告に関する次の記述のうち、適 切なものはどれか。​
    5. 【問 45】 不動産の税金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  5. 賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度46問から50問解答解説
    1. 【問 46】 賃貸住宅に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
    2. 【問 47】 管理業務に関わる法令に関する次の記述のうち、最も不適切なも のはどれか。
    3. 【問 48】 賃貸住宅に係る新たな政策課題に関する次の記述のうち、最も不 適切なものはどれか。
    4. 【問 49】 保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
    5. 【問 50】 賃貸不動産経営の企画提案書の作成にあたっての物件調査や市場 調査に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  6. まとめ

賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度26問から30問解答解説

【問 26】 定期建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれ か。

1 中途解約特約のある定期建物賃貸借契約において、貸主は契約期間中であ っても、正当事由を具備することなく契約を解約することができる。
誤り:貸主は正当事由なしに中途解約をすることはできない

2 定期建物賃貸借契約書は、同契約を締結する際に義務付けられる事前説明 の書面を兼ねることができる
誤り:定期建物賃貸借契約書と事前説明の書面を兼ね備えることはできない

3 賃貸借の媒介業者が宅地建物取引業法第 35 条に定める重要事項説明を行う 場合、定期建物賃貸借契約であることの事前説明の書面は不要である。
誤り:事前説明の書面交付は、宅建業法の重説とは別に行う必要がある。

​4 定期建物賃貸借契約において、賃料減額請求権を行使しない旨の特約は有 効である。​
正しい:普通建物賃貸借契約では、賃料減額請求をしない旨の特約は無効

【問 27】 Aを貸主、Bを借主とする建物賃貸借においてCを連帯保証人と する保証契約に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。た だし、それぞれの選択肢に記載のない事実はないものとする。

ア Bが賃料の支払を怠ったので、AがCに対して保証債務履行請求権を行使 した場合、Cは、Bには弁済する資力があり、かつその執行が容易である旨 を証明すれば、AがBの財産について執行を行わない間は保証債務の履行を 免れる。
誤り:連帯保証人Cは、保証債務の履行を拒むことはできない

イ Aの賃料債権を被担保債権とする抵当権がD所有の甲不動産に設定されて いた場合、Dの負う責任は甲不動産の範囲に限られるところ、Cの負う責任 はCの全財産に及ぶ
正しい:

ウ Cが自然人ではなく法人の場合は、極度額を書面で定めなくてもよい。
正しい:法人の場合には極度額を書面で定めなくてもよい

エ Bの賃借人の地位がAの承諾の下、第三者に移転した場合、Cが引き続き 連帯保証債務を負担することを「保証の随伴性」という。
誤り:債務者の変更に保証の随伴性は適用されない

1 ア、イ
2 イ、ウ
3 ウ、エ
4 ア、エ

【問 28】 Aを貸主、Bを借主とする賃貸住宅(以下、「甲建物」という。) の所有権がCに移転した場合に関する次の記述のうち、誤っているものはどれ か。ただし、それぞれの選択肢に記載のない事実はないものとする。

1 Aが甲建物を譲渡する前にBがAから引渡しを受けていれば、賃貸人たる 地位はCに移転する。
正しい:登記がなくても建物の引き渡しがあれば、効力を生じる

2 Aが甲建物を譲渡する前にBがAから引渡しを受けている場合に、AC間 で賃貸人の地位をAに留保し、かつCがAに甲建物を賃貸する旨の合意をす れば、Bの承諾がなくても、賃貸人の地位はAに留保される。
正しい:

3 Aが甲建物を譲渡する前にBがAから引渡しを受けている場合に、所有権 移転登記を経由していないCから甲建物の賃料の支払を求められても、Bは 支払を拒むことができる。
正しい:所有権の移転登記をしなければ、賃借人に対抗することはできない

​​​4 Aが甲建物を譲渡する前にBがAから引渡しを受けておらず、かつ賃貸借 の登記も経由していない場合に、AC間で賃貸人の地位を移転することにつ き合意しても、Bの承諾がなければ、賃貸人の地位はCに移転しない
​​​
誤り:賃貸人たる地位の移転について、賃借人の承諾は必要ない

【問 29】 管理業法における賃貸住宅に関する次の記述のうち、誤っている ものはどれか。

1 賃貸住宅とは、賃貸借契約を締結し賃借することを目的とした、人の居住 の用に供する家屋又は家屋の部分をいう。
正しい:人の居住の用に供する家屋または家屋の部分のことである

​​​2 建築中の家屋は、竣工後に賃借人を募集する予定で、居住の用に供するこ とが明らかな場合であっても、賃貸住宅に該当しない。
​​​
誤り:竣工後に賃借人を募集して居住用に供する予定あり→賃貸住宅

3 未入居の住宅は、賃貸借契約の締結が予定され、賃借することを目的とす る場合、賃借人の募集前であっても、賃貸住宅に該当する。
正しい:賃貸借契約の締結が予定され、賃借することを目的とされる場合は、賃貸住宅に該当する

4 マンションのように通常居住の用に供される一棟の家屋の一室について賃 貸借契約を締結し、事務所としてのみ賃借されている場合、その一室は賃貸 住宅に該当しない。
正しい:事務所としてのみ賃借されている家屋の一室は賃貸住宅にはあたらない

【問 30】 管理業法における管理業務に関する次の記述のうち、誤っている ものはどれか。

1 管理業務には、賃貸住宅の居室及びその他の部分について、点検、清掃そ の他の維持を行い、及び必要な修繕を行うことが含まれる。
正しい:点検、清掃その他の維持、必要な修繕を行う業務を含む

​2 管理業務には、賃貸住宅の維持保全に係る契約の締結の媒介、取次ぎ又は 代理を行う業務が含まれるが、当該契約は賃貸人が当事者となるものに限ら れる
誤り:維持保全の契約は、賃貸人が当事者となるものに限られない
→管理業者が事故の名で発注事務等を行う契約も管理業務になるので、賃貸人が当事者となるものに限られない

3 賃貸住宅に係る維持から修繕までを一貫して行う場合であっても、賃貸住 宅の居室以外の部分のみについて行うときは、賃貸住宅の維持保全には該当 しない。
正しい:維持保全の対象は、住宅の居室及びその他の部分

4 管理業務には、賃貸住宅に係る家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理を 行う業務が含まれるが、維持保全と併せて行うものに限られる。
正しい:維持保全と併せて行うものに限って管理業務になる​

賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度31問から35問解答解説

【問 31】 管理業法における賃貸住宅管理業者の業務に関する次の記述のう ち、誤っているものはどれか。

1 賃貸住宅管理業者は、使用人その他の従業者に、その従業者であることを 証する証明書を携帯させなければならない。
正しい:証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない

2 賃貸住宅管理業者は、管理受託契約に基づく管理業務において受領する家 賃、敷金、共益費その他の金銭を、自己の固有財産及び他の管理受託契約に 基づく管理業務において受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭と分別し て管理しなければならない。
正しい:分別して管理しなければならない

3 賃貸住宅管理業者は、営業所又は事務所ごとに、業務に関する帳簿を備え 付け委託者ごとに管理受託契約について契約年月日等の事項を記載して保 存しなければならない。
正しい:営業所または事務所ごとに帳簿を備え付け、委託者ごとに管理保存しなければならない

​​4 賃貸住宅管理業者は、再委託先が賃貸住宅管理業者であれば、管理業務の 全部を複数の者に分割して再委託することができる。​​
誤り:複数の者に分割したとしても、管理業務の全部を再委託できない

【問 32】 管理業法における登録及び業務に関する次の記述のうち、正しい ものはどれか。

1 賃貸住宅管理業者である個人が死亡したときは、その相続人は、死亡日か ら 30 日以内に国土交通大臣に届け出なければならない。
誤り:相続人は、死亡の事実を知った日から30日以内に届けでる

​​​2 賃貸住宅管理業者である法人が合併により消滅したときは、その法人の代 表役員であった者が国土交通大臣に届け出なくても、賃貸住宅管理業の登録 は効力を失う
​​​
正しい:消滅した事実により、登録は当然に効力を失う

3 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者は、賃貸住宅管理業者の役員 となることはできないが、業務管理者となることができる
誤り:管理業者の役員だけでなく、業務管理者になることもできない

4 賃貸住宅管理業者は、営業所又は事務所ごとに掲示しなければならない標 識について公衆の見やすい場所を確保できない場合、インターネットのホー ムページに掲示することができる。
誤り:標識は、公衆の見やすい場所に所定の様式で揚げる

【問 33】 特定賃貸借標準契約書(国土交通省不動産・建設経済局令和3年 4月 23 日更新。以下、各問において同じ。)に関する次の記述のうち、最も適切 なものはどれか。ただし、特約はないものとする。

1 特定賃貸借標準契約書では、賃貸住宅内の修繕を借主が実施するとしてい る場合には、転貸借契約終了時の賃貸住宅内の修繕は、貸主と協議をするこ となく借主がその内容及び方法を決定することができるとされている。
不適切:修繕は、貸主と協議のうえで行わなければならない

2 特定賃貸借標準契約書では、転貸借契約を定期建物賃貸借にするか否かは、 借主と転借人との間の合意により自由に決定することができるとされている。
不適切:借主と転借人の合意により、自由に決定することはできない

​​​​​3 特定賃貸借標準契約書では、転借人が賃貸借の目的物を反社会的勢力の事 務所に供していた場合には、借主は、催告をすることなく、転貸借契約を解 除することができるとされている。
​​​​​
最も適切:催告することなく、転貸借契約を解除することができる

4 特定賃貸借標準契約書では、転貸借契約から生じる転借料と転借人から交 付された敷金は、借主の固有の財産及び他の貸主の財産と分別したうえで、 まとめて管理することができるとされている。
不適切:転借料と敷金をまとめて管理することはできない

【問 34】 特定賃貸借標準契約書に関する次の記述のうち、最も不適切なも のはどれか。ただし、特約はないものとする。

1 特定賃貸借標準契約書では、借主が賃貸住宅の維持保全をするに当たり、 特定賃貸借契約締結時に貸主から借主に対し必要な情報の提供がなかったこ とにより借主に損害が生じた場合には、その損害につき貸主に負担を求める ことができるとされている。
適切:必要な情報が提供されていなければそのとおり

​​2 特定賃貸借標準契約書では、貸主が賃貸住宅の修繕を行う場合は、貸主は あらかじめ自らその旨を転借人に通知しなければならないとされている。
​​
最も不適切:貸主は、借主を通じて転借人に通知しなければならない

3 特定賃貸借標準契約書では、賃貸住宅の修繕に係る費用については、借主 又は転借人の責めに帰すべき事由によって必要となったもの以外であっても、 貸主に請求できないものがあるとされている。
適切:契約上借主が負担するものとなっている者は、借主に責任があるかどうかは問わない

4 特定賃貸借標準契約書では、借主が行う賃貸住宅の維持保全の内容及び借 主の連絡先については、転借人に対し、書面又は電磁的方法による通知をし なければならないとされている。
適切:借主が行う賃貸住宅の維持保全の内容及び借 主の連絡先は通知が必要

【問 35】 特定転貸事業者の貸主への報告に関する次の記述のうち、特定賃 貸借標準契約書によれば最も適切なものはどれか。ただし、特約はないものと する。

1 貸主との合意に基づき定めた期日において、賃貸住宅の維持保全の実施状 況や転貸条件の遵守状況、転借人からの転借料の収納状況について、貸主に 対し書面を交付して定期報告を行わなければならない。
不適切:定期報告の方法は、書面で行わなくてもよい

​2 貸主は、借主との合意に基づき定めた期日以外であっても、必要があると 認めるときは、借主に対し、維持保全の実施状況に関して報告を求めること ができる。
最も適切:維持保全の実施状況の報告を求めることができる

3 修繕を必要とする箇所を発見した場合、それが緊急を要する状況ではなか ったときには、定期報告において貸主に書面を交付して報告を行うことがで きる。
不適切:修繕を必要とする箇所を発見したら、速やかに貸主に通知

4 自然災害が発生し緊急に修繕を行う必要が生じたため、貸主の承認を受け る時間的な余裕がなく、承認を受けずに当該業務を実施したときは、貸主へ の報告をする必要はない。
不適切:貸主の承認を受けずに実施した修繕は、書面で通知

賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度36問から40問解答解説メモ

【問 36】 特定転貸事業者が特定賃貸借契約を締結したときに賃貸人に対し て交付しなければならない書面(以下、「特定賃貸借契約締結時書面」という。) に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 特定賃貸借契約締結時書面は、特定賃貸借契約書と同時に賃貸人に交付す る必要はない。
​正しい:遅滞なく交付しなければならない​

​​2 特定転貸事業者が特定賃貸借契約を更新する際、賃貸人に支払う家賃を減 額するのみでその他の条件に変更がなければ、特定賃貸借契約締結時書面の 交付は不要である。
​​
誤り:家賃を減額する変更だけでも、契約締結時書面の交付が必要

3 特定賃貸借契約締結時書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供する 場合、あらかじめ相手方の承諾を得なければならない。
正しい:あらかじめ相手方の承諾を得ることが必要

4 特定転貸事業者が特定賃貸借契約締結時書面の交付を怠った場合50 万円 以下の罰金に処される場合がある。
正しい:

【問 37】 特定転貸事業者が特定賃貸借契約を締結しようとするときに契約 の相手方となろうとする者に説明しなければならない事項に関する次の記述の うち、正しいものはいくつあるか。

ア 特定賃貸借契約の対象となる賃貸住宅の面積
正しい:
イ 特定賃貸借契約の相手方に支払う家賃の設定根拠
正しい:
ウ 特定賃貸借契約の相手方に支払う敷金がある場合はその額
正しい:
エ 特定転貸事業者が賃貸住宅の維持保全を行う回数や頻度
正しい:
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ

【問 38】 特定転貸事業者が、特定賃貸借契約を締結しようとする際に行う 相手方への説明に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 説明の前に管理業法第 30 条に規定する書面(以下、本問において「特定賃 貸借契約重要事項説明書」という。)等を送付しておき、送付から一定期間後 に説明を実施した上で速やかに契約書を取り交わした。
適切:1週間程度の期間を置くことが望ましい

​​2 相手方とは、既に別の賃貸住宅について特定賃貸借契約を締結していたた め、その契約と同じ内容については特定賃貸借契約重要事項説明書への記載 を省略した。
​​
最も不適切:契約内容が同じでも、必要事項の記載を省略できない

3 相手方への説明を、賃貸不動産経営管理士の資格を有しない従業者に行わ せた。
適切:特定転貸事業者の従業員であればよい

4 賃貸住宅の修繕は、特定転貸事業者が指定した業者に施工させなければな らないという条件を契約に盛り込むこととし、その旨説明した。
適切:条件を定める場合はその記載、説明が必要

【問 39】 特定転貸事業者が特定賃貸借契約の条件について広告をする際に 禁止される行為に当たるものに関する次の記述のうち、正しいものはいくつあ るか。

ア 実際の周辺相場について調査していなかったが、「周辺相場より高い家賃で 借り上げ」と表示した。
正しい:誇大広告に当たる

イ 大規模修繕積立金として月々の家賃から一定額を差し引く一方、日常修繕 の費用負担は賃貸人に求めない予定であったため、「修繕費負担なし」と表示 した。
正しい:誇大広告に当たる

ウ 契約を解除する場合には、月額家賃の数か月を支払う必要があるにもかか わらず、その旨を記載せずに、「いつでも借り上げ契約は解除できます」と表 示した。
正しい:誇大広告に当たる

エ 借地借家法上の賃料減額請求が可能であるにもかかわらず、その旨を表示 せず、「10 年家賃保証」と表示した。
正しい:誇大広告に当たる
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ

【問 40】 特定賃貸借契約の締結について不当な勧誘を禁止される「勧誘者」 に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

ア 勧誘者は、特定転貸事業者から委託料を受け取って勧誘の委託を受けた者 に限られない
​正しい:委託を受けて勧誘をする者に限られない​

イ 勧誘者が勧誘行為を第三者に再委託した場合、再委託を受けた第三者も勧 誘者に該当する。
​正しい:第三者も勧誘者になる​

ウ 特定転貸事業者である親会社との間で特定賃貸借契約を結ぶよう勧める場 合の子会社は、勧誘者にあたらない。
誤り:親会社に特定賃貸借契約を勧める子会社も、勧誘者になる

エ 勧誘者には不当な勧誘等が禁止されるが、誇大広告等の禁止適用されな い
誤り:勧誘者には、誇大広告等の禁止も適用される

1 ア、イ
2 イ、ウ
3 ウ、エ
4 ア、エ

賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度41問から45問解答解説

【問 41】 特定賃貸借契約の適正化のための国土交通大臣の監督に関する次 の記述のうち、誤っているものはどれか。

​​1 国土交通大臣は、特定転貸事業者が国土交通大臣の指示に従わない場合で も、特定賃貸借契約に関する業務の全部の停止を命じることはできない
​​
誤り:業務の一部だけでなく、全部の停止を命じることができる

2 勧誘者が不当な勧誘等の禁止に違反した場合、特定転貸事業者が監督処分 を受けることがある。
​正しい:監督処分 を受けることがある

3 国土交通大臣は、特定転貸事業者が誇大広告等の禁止に違反した場合、違 反の是正のための措置をとるべきことを指示できることがある
正しい:指示処分が行われる場合もある

4 国土交通大臣は、特定転貸事業者に対し業務停止の命令をしたときは、そ の旨を公表しなければならない。
正しい:その旨を公表しなければならない

【問 42】 賃貸住宅の管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 募集の準備等の契約前業務、賃料の収納と送金等の契約期間中の業務、期 間満了時の契約更新業務、明渡しや原状回復等の契約終了時の業務、建物の 維持管理や清掃等の維持保全業務は、いずれも居室部分を対象とする業務で ある。
不適切:居室部分だけでなく、共用部分を対象とする業務も含まれる

2 貸主が賃貸住宅管理業者に管理業務を委託する管理受託方式の賃貸住宅経 営において、賃貸住宅管理業者は、借主の募集、賃料の収受や契約条件の交 渉、建物の維持管理の業務を、いずれも貸主の代理として行う。
不適切:貸主の代理として行う行為だけでなく、事実行為もある

3 賃貸住宅管理業者は、建物管理のプロとしての役割を果たす、循環型社会 への移行に貢献する、管理業務に関する専門知識の研鑽と人材育成に努める、 といった社会的責務を負うが、貸主の賃貸住宅経営を総合的に代行する資産 運営の専門家というわけではない
不適切:賃貸住宅経営を総合的に代行する資産運営の専門家である

​​​​4 借主保持と快適な環境整備、透明性の高い説明と報告、新たな経営管理手 法の研究と提案、能動的・体系的管理の継続、非常事態における借主のサポ ートは、いずれも賃貸住宅管理業者に求められる役割である。
​​​​
​最も適切:いずれも賃貸住宅管理業者に求められる役割​

【問 43】 賃貸不動産経営管理士の業務に関する次の記述のうち、最も不適 切なものはどれか。

​​1 賃貸不動産経営管理士は業務管理者として、管理受託契約重要事項説明書 の交付、維持保全の実施、家賃、敷金、共益費その他の金銭の管理、帳簿の 備付け、貸主に対する定期報告、入居者からの苦情の処理に関する事項等を 自ら実施する役割を担っている。
最も不適切:行う管理者の役割は、管理・監督に関する事務である

2 賃貸不動産経営管理士は、業務管理者としての事務を適切に実施すること に加え、賃貸借関係の適正化を図るために賃貸住宅管理業者が行う業務につ き、管理・監督する役割や自ら実施する役割を担う
適切:賃貸住宅管理会社の従業員として、自らが重要事項説明、維持保全の実施を行うこともその役割として想定される

3 賃貸不動産経営管理士は、宅地建物取引業者が媒介や代理をしないサブリー ス方式の転貸借契約において、宅地建物取引業法に準じ、転借人に対して契約 締結前の重要事項説明や契約成立時の書面の交付を行うことが期待される。
​適切:転借人に対して契約 締結前の重要事項説明や契約成立時の書面の交付を行うことが期待される​

4 賃貸不動産経営管理士は、不動産をめぐる新たな政策課題や賃貸不動産の 活用方式の普及に積極的に協力して取り組み、不動産政策の推進とそれに伴 う国民生活の安定向上に貢献することが求められる。
適切:不動産政策の推進とそれに伴 う国民生活の安定向上に貢献することが求められる

【問 44】 宅地建物取引業におけるおとり広告に関する次の記述のうち、適 切なものはどれか。​

1 成約済みの物件を速やかに広告から削除せずに当該物件のインターネット 広告等を掲載することは、おとり広告に該当する。
適切:賃貸する意思のない物件や賃貸することのできない物件について広告を行うことを、おとり広告という

2 実際には取引する意思のない実在する物件を広告することは、物件の内容 が事実に基づくものである限り、おとり広告に該当しない。
不適切:実際には取引する意思のない物件の広告も、おとり広告となる

3 他の物件情報をもとに、賃料や価格、面積又は間取りを改ざんする等して 実際には存在しない物件を広告することは、おとり広告に該当する。
不適切:実際には存在しない物件を公告することは、虚偽広告である

4 おとり広告は、宅地建物取引業法には違反しないが、不動産の表示に関す る公正競争規約(平成 17 年公正取引委員会告示第 23 号)に違反する行為で ある。
不適切:おとり広告は、宅地建物取引業法に違反する

【問 45】 不動産の税金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 サラリーマン等給与所得者は会社の年末調整により税額が確定するので、 通常は確定申告をする必要はないが、不動産所得がある場合には、確定申告 により計算・納付をしなければならない。
正しい:不動産所得がある場合には、確定申告 により計算・納付する必要がある

2 不動産所得の計算において、個人の場合、減価償却の方法は定率法を原則 とするが、「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出すれば定額法によるこ とも認められる。
誤り:個人の所得計算における減価償却は、定額法を原則とする

3 賃貸不動産購入時のさまざまな支出のうち、不動産取得税や登録免許税、 登記費用、収入印紙等はその年の必要経費とすることができるが、建築完成 披露のための支出は建物の取得価額に含まれる
誤り:建築完成披露のための支出は、その年の必要経費となる

4 不動産所得の収入に計上すべき金額は、その年の1月1日から 12 月 31 日 までの間に実際に受領した金額とすることが原則であり、未収賃料等を収入 金額に含める必要はない
​誤り:賃料が未収であっても、収入金額に含められる​

賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度46問から50問解答解説

【問 46】 賃貸住宅に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 住生活基本法に基づき令和3年3月 19 日に閣議決定された住生活基本計画 では、基本的な施策として、子育て世帯等が安心して居住できる賃貸住宅市 場の整備が掲げられている。
正しい:子育て世帯等が安心して居住できる賃貸住宅市 場の整備が掲げられている

2 家賃債務保証業者登録規程(平成 29 年 10 月2日国土交通省告示第 898 号) ​によれば、国土交通大臣は、家賃債務保証業者登録簿を一般の閲覧に供する。​
正しい:登録を受けた事業者は一般に公開される

3 不動産登記において建物の床面積は、区分所有建物の専有部分の場合を除 き、各階ごとに壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積によ り計算する。
正しい:区分所有建物では、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積

​​4 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害が生じ たときの損害賠償責任を、賃貸不動産の管理を受託した賃貸住宅管理業者が 負うことはない。​​
誤り:管理受託した賃貸住宅管理業者も、工作物責任を負うことがある
→管理物件で事故が起こらないように安全確保の措置をとることを包括的に任されている場合には占有者にあたるため、工作物責任を負うことになる

【問 47】 管理業務に関わる法令に関する次の記述のうち、最も不適切なも のはどれか。

​​1 障害者の差別の解消の推進に関する法律で禁止される行為を示した国土交 通省のガイドライン(国土交通省所管事業における障害を理由とする差別の 解消の促進に関する対応指針。平成 29 年3月国土交通省公表)は、宅地建物 取引業者を対象としており、主として仲介の場面を想定した内容であるため、 賃貸住宅管理業者の業務においては参考とならない
​​
最も不適切:管理業者もガイドラインを参考にしなければならない

2 賃貸借契約における原状回復に係る負担の特約は、原状回復ガイドライン や過去の判例等に照らして賃借人に不利であり、それを正当化する理由がな い場合には、無効とされることがある
適切:①特約の必要性があり、かつ、能吏的でないなどの客観的・合理的理由が存在する、②賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識している、③賃借人が特約による義務負担の意思表示しているという3つの要件すべてを満たす場合に限って、効力が認められる

3 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律に基づき住 住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として登録を受けるためには、国 土交通省令で定める登録基準に適合していなければならない。
適切:構造・設備、床面積、家賃等が国 土交通省令で定める登録基準に適合していなければならない

4 賃貸住宅の敷地の南側に隣接する土地に高層建物が建設されることを知り ながら、「陽当たり良好」と説明して賃貸借契約を成立させた場合、消費者契 約法に基づき、当該賃貸借契約が取り消される場合がある。
​適切:消費者に誤認させた場合は取り消すことができる​

【問 48】 賃貸住宅に係る新たな政策課題に関する次の記述のうち、最も不 適切なものはどれか。

1 賃貸不動産経営管理士は、所属する賃貸住宅管理業者の積極的な指示があ る場合に限り、重要な政策課題や新しい賃貸住宅の活用のあり方について制 度設計を進め、実際の業務の管理及び監督や実施を担う等により、課題解決 に関与する
​​
最も不適切:指示を待たなくても、積極的に課題解決に関与する

2 賃貸不動産経営管理士が有する賃貸借契約や賃貸不動産管理に関する専門 性は、住宅宿泊事業で必要となる専門性と親和性があることから、賃貸不動 産経営管理士は、住宅宿泊事業における専門家としての役割を担う資質と能 力を有している。
適切:専門家としての役割を担う資質と能力を有するものである

3 賃貸不動産経営管理士は、空き家所有者に対し賃貸借に係る情報、入居者 の募集、賃貸住宅の管理の引受けについて助言や提言をすることにより、空 き家所有者が安心して賃貸不動産経営に参画できる環境を整備し、空き家問 題の解決のために役割を果たすことが期待される
適切:空き家問題解決に一定の役割を果たさなければならない

4 賃貸不動産経営管理士は、住宅扶助費の代理納付制度や残置物の処理に係 る契約上の取扱い等を貸主に説明することを通じ、住宅確保要配慮者が安心 して暮らせる賃貸住宅の提供のための役割を果たすことが期待される
適切:住宅確保用配慮者が安心して暮らせる賃貸住宅の提供を促進することは、賃貸不動産経営管理士の役割である

【問 49】 保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 保険とは、将来起こるかもしれない危険(事故)に対して備える相互扶助 の精神から生まれた助け合いの制度である
適切:事故に備える相互扶助の精神から生まれた助け合いの仕組みである

​​2 賃貸不動産経営において最も活用される損害保険は、保険業法上、第一分 野に分類される。
​​
最も不適切:損害保険は、保険法上の第二分野に分類される

3 地震保険は、地震、噴火又はこれらによる津波を原因とする建物や家財の 損害を補償する保険であるが、​特定の損害保険契約(火災保険)に付帯して 加入​するものとされており、単独での加入はできない。
適切:地震保険だけを単独に付保することはできない

 借家人賠償責任保険は、火災・爆発・水ぬれ等の不測かつ突発的な事故に よって、賃貸人(転貸人を含む。)に対する法律上の損害賠償責任を負った場 合の賠償金等を補償するものである。
適切:賃貸人等に対する法律上の損害賠償責任を負った場合に備えたもの

【問 50】 賃貸不動産経営の企画提案書の作成にあたっての物件調査や市場 調査に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 物件の所在を特定する手段として、不動産登記法に基づく地番と住居表示 に関する法律に基づく住居表示とがある。
適切:不動産登記においては地番が、住居の場所を示すために住居表示が用いられる

2 「事業計画」の策定においては、建築する建物の種類・規模・用途、必要 資金の調達方法、事業収支計画の3点が重要な項目である。
適切:①建築物の種類・規模・用途、②資金調達方法、③事業収支計画の3点が重要な事項となる

​​3 公的な土地の価格である固定資産税評価額は、公示価格の水準の6割程度 とされている。
最も不適切:固定資産税評価額は、公示価格の水準の7割程度
​​

4 公的な土地の価格である路線価(相続税路線価)は、公示価格の水準の8 割程度とされている。
​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​適切:路線価(相続税路線価)は、公示価格の水準の8 割程度

まとめ

お疲れさまでした。賃貸不動産経営管理士が国家試験になって受験者が増えています。業務に必要な人は頑張って早めに合格してください。

賃貸不動産経営管理士、2021年度第1問~25問/解答解説

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