なぜ人は夢を見ている間、体が動かないのか?
「夢の中では走っているのに、実際の体はまったく動いていない」
そんな不思議な経験はありませんか?
実はこれは、人間の脳が意図的に体を動かないようにしている正常な仕組みなのです。
今回は、その理由をわかりやすく解説します。
結論:体が動かないのは“安全装置”だから
人が夢を見ているとき、体が動かないのは
夢の内容を現実で再現しないようにするための防御反応です。
もし夢の通りに体が動いてしまったら、
寝ている間に立ち上がったり、走ったりしてしまい、とても危険ですよね。
夢を見るのは「レム睡眠」のとき
睡眠には大きく分けて2種類があります。
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ノンレム睡眠:深い眠り(脳も休憩)
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レム睡眠:浅い眠り(夢をよく見る)
夢を見ているのは主にレム睡眠中です。
このとき脳は起きているときに近いほど活発に働いていますが、
体の筋肉だけは意図的にオフにされています。
脳が筋肉に「動くな」と命令している
レム睡眠中、脳は次のような指示を出します。
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脳:「夢は見ていい」
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脳:「でも体は動かないで」
この指示により、
手足や体幹の筋肉はほぼ完全に力が抜けた状態になります。
これを専門用語で
**「筋弛緩(きんしかん)」**と呼びます。
例えるなら「パーキングブレーキ」
この仕組みは、車でいうとパーキングブレーキのようなものです。
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エンジン(脳)は動いている
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でもブレーキ(筋肉)がかかっている
だから、どんなに激しい夢を見ていても
体はベッドの上で安全に眠っていられるのです。
体が動かない感覚=金縛り?
この仕組みが目覚めるタイミングとズレると、
**金縛り(睡眠麻痺)**が起こります。
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意識は目覚めている
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でも筋肉のオフ状態が解除されていない
そのため
「目は開いているのに体が動かない」
という不思議な感覚が生まれます。
これは霊現象ではなく、脳の仕組みによるものです。
まとめ
人が夢を見ている間に体が動かない理由は、
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夢の行動を現実でしてしまわないため
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脳が筋肉を一時的に止める安全装置を働かせているため
つまりこれは、
人間が安全に眠るための、とても賢い仕組みなのです。


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