賃貸不動産経営管理士、2021年度第1問~25問/解答解説

賃貸不動産経営管理士、過去問第1問~25問/解答解説 勉強
​​​​​​​​​​​​​​賃貸不動産経営管理士試験を目指している人に参考にしてもらえればと思います。頑張りましょう。
賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度1問から25問解答解説 2回に分けて掲載します。
昨年から国家試験になった賃貸不動産経営管理士の試験、合格率は30%と言われていますが、これ以上難しくなる前に合格したいと思います。
令和3年の問題から過去問を始めたいと思います。
  1. 賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度1問から5問解答解説
    1. 【問 1】 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、各問において 「管理業法」という。)に定める賃貸住宅管理業者が管理受託契約締結前に行う 重要事項の説明(以下、各問において「管理受託契約重要事項説明」という。) に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
    2. 【問 2】 次の記述のうち、賃貸住宅管理業者が管理受託契約重要事項説明に おいて説明しなければならない事項として​​適切なものはいくつ​​あるか。
    3. 【問 3】 管理受託契約重要事項説明におけるITの活用に関する次の記述の うち、​​誤っているものはどれか​​。
    4. 【問 4】 管理受託契約の性質に関する次の記述のうち、​​​​​適切なものはどれか​​​​​。 ​
    5. 【問 5】 次の記述のうち、賃貸住宅標準管理受託契約書(国土交通省不動産・ 建設経済局令和3年4月 23 日公表。以下「標準管理受託契約書」という。)に て賃貸住宅管理業者に代理権が授与されている事項に​含まれないものはどれか​。 ​
  2. 賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度6問から10問解答解説
    1. 【問 6】 賃貸住宅の管理の実務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
    2. 【問 7】 賃貸住宅等の管理と自然災害に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
    3. 【問 8】 土地工作物責任に関する次の記述のうち、適切なものの組合せはどれか。
    4. 【問 9】 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(国土交通省平成 23 年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
    5. 【問 10】 原状回復ガイドラインに関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
  3. 賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度11問から15問解答解説
    1. ​【問 11】 「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」(国土交通省住宅局平成 13 年3月 23 日策定)において、新築される共同住宅に防犯上必要とされる事項に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 ​
    2. 【問 12】 住宅の居室に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ​
    3. 【問 13】 賃貸住宅の耐震改修方法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 ​​
    4. 【問 14】 修繕履歴情報に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 ​
    5. 【問 15】 建物の維持保全に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ​
  4. 賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度16問から20問 解答解説メモ
    1.   【問 16】 屋上と外壁の管理に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
    2. 【問 17】 建物の修繕に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 ​
    3. 【問 18】 給水設備・給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適切なもの はどれか。
    4. 【問 19】 換気設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
    5. 【問 20】 敷金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  5. 賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度21問から25問解答解説
    1. 【 21】 賃料増減請求に関する次の記述のうち、​適切​​なものの組合せはど れか。​
    2. 【問 22】 賃料回収及び明渡しに向けた業務に関する次の記述のうち、​不適切​なものの組合せはどれか。
    3. 【問 23】 賃貸住宅標準契約書(国土交通省住宅局平成 30 年3月公表)に関 する次の記述のうち、​正しい​ものはどれか。 ​
    4. 【問 24】 Aを貸主、Bを借主とする建物賃貸借契約においてBが死亡した 場合に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。ただし、それぞれの 選択肢に記載のない事実及び特約はないものとする。 ​​
    5. 【問 25】 建物賃貸借契約における必要費償還請求権、有益費償還請求権及 び造作買取請求権に関する次の記述のうち、​​適切​​​なものの組合せはどれか。​
  6. まとめ

賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度1問から5問解答解説

【問 1】 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(以下、各問において 「管理業法」という。)に定める賃貸住宅管理業者が管理受託契約締結前に行う 重要事項の説明(以下、各問において「管理受託契約重要事項説明」という。) に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

​1 管理受託契約重要事項説明は、管理受託契約の締結とできるだけ近接した 時期に行うことが望ましい。
不適切:重要事項説明と近接した時期の契約締結は、望ましくない。​2 管理受託契約重要事項説明は、業務管理者が行わなければならない
不適切:重要事項説明は業務管理者が行わなくてもよい​​​​​3 賃貸住宅管理業者は、賃貸人が管理受託契約重要事項説明の対象となる場 合は、その者が管理受託契約について一定の知識や経験があったとしても、 書面にて十分な説明をしなければならない。​
​​適切
​​​

​4 管理受託契約に定める報酬額を契約期間中に変更する場合は、事前説明を せずに変更契約を締結することができる。
不適切:報酬額の契約期間中の変更は、変更契約の前に事前説明が必要

【問 2】 次の記述のうち、賃貸住宅管理業者が管理受託契約重要事項説明に おいて説明しなければならない事項として​​適切なものはいくつ​​あるか。

ア 管理業務の内容及び実施方法
イ 報酬並びにその支払の時期及び方法
ウ 管理業務の一部の再委託に関する事項
エ 管理受託契約の更新及び解除に関する事項
1 1つ
2 2つ
3 3つ
​​​​​​​​​​4 4つ​​​​​​その他の説明事項
・管理受託契約を締結する賃貸住宅管理業者の商号、名称または氏名ならびに登録年月日および登録番号
・管理業務の対象となる賃貸住宅
・報酬に含まれていない管理業務に関する費用であって、賃貸住宅管理業者が通常必要とするもの
・責任および免除に関する事項
・賃貸住宅管理業法第20条の規定による委託者への報告に関する事項
・契約期間に関する事項
・賃貸住宅の入居者に対する管理業務の内容および実施方法の周知に関する事項​​​

【問 3】 管理受託契約重要事項説明におけるITの活用に関する次の記述の うち、​​誤っているものはどれか​​。

​1 管理受託契約重要事項説明に係る書面(以下、本問において「管理受託契 約重要事項説明書」という。)に記載すべき事項を電磁的方法により提供する 場合、賃貸住宅の賃貸人の承諾が必要である。
正しい:賃貸人の承諾が必要​2 管理受託契約重要事項説明書を電磁的方法で提供する場合、出力して書面 を作成できる方法でなければならない。
正しい:書面を作成できること​3 管理受託契約重要事項説明をテレビ会議等のITを活用して行う場合、管 理受託契約重要事項説明書の送付から一定期間後に説明を実施することが望 ましい。
正しい:一定期間経過した後

​4 管理受託契約重要事項説明は、賃貸住宅の賃貸人の承諾があれば、音声の みによる通信の方法で行うことができる。​
​誤り:電話など、音声のみによる手段での重要事項説明は認められない​​

【問 4】 管理受託契約の性質に関する次の記述のうち、​​​​​適切なものはどれか​​​​​。 ​

1 管理受託契約は、民法上の委任と雇用の性質を併有することが想定されて いる。
不適切:管理受託契約は、一般に委託と請負の性格を併有する​2 民法上の請負は、法律行為又は事実行為をすることを目的とする。
不適切:請負の目的は事実行為であって、法律行為ではない​​​3 建物設備の維持保全業務は、民法上の準委任当たる。
​​​
適切:一般に事実行為を委託するものだから準委任となる
※準委任とは、委託者が法律行為ではない事務を相手方に委託し、受託者がこれを承諾することによって成立する契約である。

​4 民法上の委任契約は、書面で契約を締結することが義務付けられている
​不適切:委任は、書面で契約することは義務付けられていない​

【問 5】 次の記述のうち、賃貸住宅標準管理受託契約書(国土交通省不動産・ 建設経済局令和3年4月 23 日公表。以下「標準管理受託契約書」という。)に て賃貸住宅管理業者に代理権が授与されている事項に​含まれないものはどれか​。 ​

1 未収金回収の紛争対応
含まれない:紛争対応の代理権を管理業者に授与することは違法2 賃貸借契約の更新
含まれる3 修繕の費用負担についての入居者との協議
含まれる

4 原状回復についての入居者との協議
含まれる

賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度6問から10問解答解説

続けて5問解説します。頑張ってください。

【問 6】 賃貸住宅の管理の実務に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 借主の入れ替えに伴う鍵交換のタイミングは、新しい借主が決定した後で​はなく、従前の借主が退去したときが望ましい。​
不適切:借主の入れ替えに伴う鍵交換は、新借主の決定後が望ましい。​2 空室は、劣化や傷みをできるだけ防ぐため、室内に立ち入ることは望ましくない
不適切:空室管理のために室内へ立ち入ることは必要3 共用部分の清掃に関し、年間の清掃計画と定期点検計画を借主に事前に知らせることは、賃貸住宅管理業者の重要な役割である。
最も適切:事前に知らせることは、賃貸住宅管理業者の重要な役割

4 建物共用部分の廊下や階段に借主の私物が放置されている場合、賃貸住宅​管理業者は発見後、直ちに自らその私物の移動や撤去をする必要がある。​
不適切:撤去できない。自力救済などとして違法行為になる可能性がある。

【問 7】 賃貸住宅等の管理と自然災害に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

​1 賃貸借契約締結時には、借主に対し、地方公共団体が作成した水害ハザー​ドマップ等に記載された避難所の位置について示すことが望ましい。
適切:宅建業法では義務2 ブロック塀の耐震診断や除去・改修等を行う場合、地方公共団体が設ける​助成金制度の活用を検討することが望ましい。​
適切:助成金を活用するなどして安全性を確保を図ることが望ましい。​​3 震災等の不可抗力による賃貸住宅の損傷の修繕費用は借主負担すべきも​​のではない
適切:修繕費用は貸主負担

​​4 震災等の不可抗力により賃貸住宅の設備の一部が損傷した場合、貸主はそ​​​​の修繕を拒むことができる。​​
最も不適切:修繕義務を負う

【問 8】 土地工作物責任に関する次の記述のうち、適切なものの組合せはどれか。

ア 建物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、​​一次的には所有者が土地工作物責任を負い、所有者が損害の発生を防止する​のに必要な注意をしたときは、占有者が土地工作物責任を負う。
不適切:土地工作物責任で一時的に責任を負うのは、占有者イ 建物の管理を行う賃貸住宅管理業者は、建物の安全確保について事実上の支配をなしうる場合、占有者として土地工作物責任を負うことがある。
適切:一次的に責任を負う占有者は、事実上支配している者。ウ 建物に建築基準法違反があることによって他人に損害を生じたときは、建​設業者が損害賠償責任を負うのであって、建物の所有者及び占有者は土地工​作物責任を​負わない。​
不適切:所有者または占有者の工作物責任は否定されない

​​​エ 設置の瑕疵とは、設置当初から欠陥がある場合をいい、保存の瑕疵とは、​​​​設置当初は欠陥がなかったが、設置後の維持管理の過程において欠陥が生じ​た場合をいう。
適切:保存の瑕疵とは、設置後の維持管理の過程において欠陥が生じたもの
1 ア、ウ

2 イ、ウ

3 イ、エ

4 ア、エ

【問 9】 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(国土交通省平成 23 年8月。以下、各問において「原状回復ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

 

1 賃貸借契約書に居室のクリーニング費用の負担に関する定めがない場合、​​借主が通常の清掃を怠ったことにより必要となる居室のクリーニング費用は​​​貸主負担となる。
不適切:借主が通常お清掃を行った場合のクリーニング費用は、借主負担2 賃貸借契約書に原状回復について経年劣化を考慮する旨の定めがない場合、​借主が過失により毀損したクロスの交換費用は経過年数を考慮せず、全額借主負担となる。
不適切:借主が負担するのは、経過年数を考慮した額3 賃貸借契約書に原状回復費用は全て借主が負担する旨の定めがあれば、然に、借主は通常損耗に当たる部分についても原状回復費用を負担しなければならない。
不適切:借主が当然に補修費用の全額を負担するものではない
1.特約の必要があり、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること

2.借主が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて、認識していること
3.借主が特約による義務負担の意思表示をしていること
以上の要件をすべて満たす場合に限ってその効力が認められる。

4 賃貸借契約書に借主の帰責事由に基づく汚損を修復する費用について借主​負担とする旨の定めがない場合であっても、借主がクロスに行った落書きを​消すための費用は借主の負担となる。
最も適切
・借主の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等によって発生したものは、借主が負担

【問 10】 原状回復ガイドラインに関する次の記述のうち、適切なものはどれか。

1 壁クロスの毀損箇所が一部分であっても、他の面と色や模様を合わせない​と商品価値が維持できない場合には、居室全体の張り替え費用は借主負担と​なる。
不適切:居室全体の張替え費用を借主負担とすることはできない
・部屋全体のクロスの色や模様が一致していないからといって、賃貸借の目的物となり得ないというものではない。
​2 フローリングの毀損箇所が一箇所のときは、居室全体の張り替え費用を借​主の負担とすることはできない。
​適切:棄損等が複数個所にわたる場合は、その居室全体とされている​​3 畳の毀損箇所が1枚であっても、色合わせを行う場合は、居室全体の畳交​換費用が​借主負担となる。​
不適切:居室全体の畳交換の費用を借主負担とすることはできない
・棄損の程度により、裏返しか表替えなど

​4​ 鍵の紛失​に伴う鍵交換費用は、紛失した鍵の本数に応じた按分割合による​額又は経過年数を考慮した額のいずれか低い額による。​​​​​​​​​​​​​
不適切:紛失の場合の鍵交換の費用は、全額が借主負担

賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度11問から15問解答解説

​【問 11】 「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」(国土交通省住宅局平成 13 年3月 23 日策定)において、新築される共同住宅に防犯上必要とされる事項に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 ​

​​ 1 エレベーターのかご内には、防犯カメラを設置するものとされている。
適切:その他、外部に連絡または吹鳴する装置の設置、かご内を見通せる窓、50ルクス以上の照度​​​​2 住戸の玄関扉について、ピッキングが困難な構造を有する錠の設置までは不要とされている。
最も不適切:破壊及びピッキングが困難な構造の錠を設置する
その他、破壊が困難な材質、こじ開け防止に有効な措置、補助錠の設置、ドアスコープ、ドアチェーンの設置
​​​​
​​3 接地階に存する住戸の窓で、バルコニー等に面するもの以外のものは、面格子の設置等の侵入防止に有効な措置を行うものとされている。
適切:その他、錠付きクレセントや補助錠等の設置、破壊困難なガラス材質の使用
​​
​​4 共用玄関の照明設備の照度は、その内側の床面においては概ね50ルクス以上とされている。
​適切:その他、周囲からの見通しの確保、上記以外共用出入り口の照明設備を20ルクス以上にする、共用玄関インターホン、オートロックシステム​​​

【問 12】 住宅の居室に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。 ​

​​​
 1 住宅の居室とは、人が長時間いる場所のことであり、居間や寝室等が該当し、便所は除かれる。
正しい:継続的に使用する室
​​​
​2 住宅の居室には、原則として、床面積の20分の1以上の換気に有効な開口部が必要である。
​正しい:
​​​​​​3 襖等常に解放できるもので間仕切られた2つの居室は、換気に関し1室とみなすことはできない
誤り:障子などの随時開放できるもので仕切られた2室は、1室とみなされる
​​​​​​
​​​​4 共同住宅では、その階における居室の床面積の合計が100平方メートル(耐火、準耐火構造の場合は 200 平方メートル)を超える場合は、避難するための直通階段を2つ以上設けなければならない。 ​​​​
 正しい:
​​

【問 13】 賃貸住宅の耐震改修方法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 ​​

1 木造において、基礎と土台、柱と梁を金物で緊結して補強する。
​適切:​
2 木造において、壁や開口部を構造パネルや筋かい等で補強する。
​適切:その他、構造用合板等の面材や筋交いを用いて耐震壁を増設、地震力を吸収する制振装置(ダンパー)の取り付け等
​​​3 木造において、地震力を吸収する制震装置(ダンパー)を取り付けても効果がない。 ​
​最も不適切:制振装置(ダンパー)の取り付けは、有効な耐震改修の方法
​​
​4 鉄筋コンクリート造において、耐震壁や筋かいを増設する。 ​
 適切:その他、建物の外側の架構(フレーム)に新たな補強フレームの増設、柱を銅板巻きや炭素繊維シート等によって補強、垂れ壁・腰壁の設置

【問 14】 修繕履歴情報に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 ​

​​
1 建物の履歴情報の利用によっては、建物の維持保全にかかる費用の無駄を省くことはできない。 ​
​最も不適切:建物の履歴情報の利用で維持保全費用を削減できる
​​2 賃貸借契約締結等の判断材料となり得る履歴情報が、賃貸借の意思決定時に適切に提供されることにより、入居後のトラブル防止にもつながる
適切:
​​
​​3 正確な履歴情報を利用することにより、災害が発生した際の復旧に迅速かつ適切な対応をとることが可能となる
適切:
​​
​​4 建物の履歴情報は、建物の所有者に帰属するものであるが、所有者から管理委託を受けている者が、必要に応じて利用に供することが考えられる。
適切:管理受託者が保管し、新たに発生する履歴情報は、責任をもって追加保管することが大切

【問 15】 建物の維持保全に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。 ​

​​​​ ​​1 建築基準法第8条は、「建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない」と規定しているが、これは建物管理者にも課せられた義務である。 ​
正しい:建物の所有者、管理者または占有者に課せられた義務である
​​​
​​2 集合賃貸住宅は、建築基準法第12条による定期調査・検査報告の対象とはならない
誤り:集合賃貸住宅は定期調査・検査報告の対象となる(3年ごと)
​​
​3 建築基準法第12条により特定建築物において義務付けられる定期調査・検査報告は、建物の構造を対象とするものであり、敷地は対象とならない
​誤り:建築物の敷地は定期調査・検査報告の対象となる(建築物の敷地、構造、建築設備が対象)
​​4 建築基準法第12条により特定建築物において義務付けられる定期調査・検査報告の対象には、昇降機は含まれない。 
誤り:昇降機は特定建築物の定期調査・検査報告の対象に含まれる

賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度16問から20問 解答解説メモ

  【問 16】 屋上と外壁の管理に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

​1 陸屋根では、土砂や落ち葉、ゴミ等が排水口をふさいでしまうと、屋上に 雨水が溜まり、防水の性能に影響を与え、漏水の原因にもなる。
正しい:陸屋根は、屋根の勾配がないか、またはきわめて緩やかで、土砂等が堆積しやすいため劣化しやすい

2 傾斜屋根(カラーベスト等)は、夏の温度上昇、冬の温度低下の繰り返し により、素地自体の変形やゆがみ等を起こすことがあるが、雨漏れの要因と はならない。
誤り:素地自体の変形やゆがみは雨漏りの原因になる

3 コンクリート打ち放しの外壁は、鉄筋発錆に伴う爆裂を点検する必要はな い
誤り:コンクリート打ち放しの外壁は点検が必要4 タイル張り外壁の定期調査方法で、接着剤張り工法以外は、劣化等により タイルが剥離するおそれがあるので、原則竣工後 10 年ごとに全面打診の調 査を行わなければならない。
誤り:全面打診ではなく、引張接着試験による確認方法も可能

【問 17】 建物の修繕に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 ​

1 建物は時間の経過とともに劣化するので、長期修繕計画を策定し、維持管 理コストを試算することは有益である一方、その費用は不確定なことから賃貸経営の中に見込むことはできない
最も不適切:維持管理コストを賃貸経営の中に見込むことは可能

​2 長期修繕計画は、数年に一度は見直しを行うことにより、適切な実施時期 を確定することが必要である。​
​​適切:数年ごとに内容の見直しを行うべき

3 長期修繕計画によって修繕費とその支払時期が明確になることから、将来 に備えて計画的な資金の積立てが必要となる。
適切:

4 計画修繕を実施することで、住環境の性能が維持でき、入居率や家賃水準 の確保につながり、賃貸不動産の安定的経営を実現できる。
適切:結果的に入居率が上がり、賃貸経営の収支上プラスに働く

【問 18】 給水設備・給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適切なもの はどれか。

1 水道直結方式のうち直結増圧方式は、水道本管から分岐して引き込んだ上 水を増圧給水ポンプで各住居へ直接給水する方式である。
適切:

2 さや管ヘッダー方式は、台所と浴室等、同時に2か所以上で使用しても水 量や水圧の変動が少ない
適切:給湯の配管方式としても用いられており、広く普及している

​3 受水槽の天井、底又は周壁は、建物の躯体と兼用することができる
最も不適切:受水槽の周辺壁等は建物の躯体と兼用することができない4 ガス給湯機に表示される号数は、1分間に現状の水温+25℃のお湯をどれ だけの量(リットル)を出すことができるかを表した数値である。
適切:

【問 19】 換気設備に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 ​自然換気​は、室内と室外の温度差による対流や風圧等の自然条件を利用し た方式である。
正しい:機械式は換気扇・送風機等を利用して強制的に換気する方式2 給気・排気ともに機械換気とする方式は、機械室、電気室等に採用される。
正しい:第一種換気(給気、排気とも機械換気。機械室、電気室等)、第2種換気(給気のみ機械換気、室内は正圧、製造工場)、第3種換気(排気のみ機械換気、トイレ等)

​3 給気のみ機械換気とする方式は、室内が負圧になるため、他の部屋へ汚染 空気が入らない。
誤り:給気のみ機械換気とする方式は室内は正圧になる4 新築建物は、ごく一部の例外を除いて、シックハウスの原因となる揮発性 有機化合物の除去対策として 24 時間稼働する機械換気設備の設置が義務づけ られている
正しい:

【問 20】 敷金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 貸主は、建物明渡し後でなければ、敷金を未払賃料に充当することができ ない
不適切:建物の引き渡し前でも、貸主は敷金を未払賃料に充当できる2 敷金は、賃貸借契約上の債務を担保するための金銭であるから、貸主との 合意があっても賃貸借契約の締結後に預け入れることができない。
不適切:合意があれば、賃貸借契約締結後に敷金の預け入れができる​​​3 貸主が建物を借主に引き渡した後、第三者に当該建物を売却し、所有権移 転登記を完了した場合、特段の事情がない限り、敷金に関する権利義務は当 然に当該第三者に承継される。
​​​
最も適切:

 賃貸借契約が終了し、建物が明け渡された後、借主が行方不明となったこ とにより、借主に対し敷金の充当の通知ができない場合、貸主は敷金を未払賃料や原状回復費用充当することができない
不適切:借主の債務は、建物の明け渡し時に敷金から当然に控除される​

賃貸不動産経営管理士、過去問2021年度21問から25問解答解説

もう少しです。頑張ってください。

【 21】 賃料増減請求に関する次の記述のうち、​適切​​なものの組合せはど れか。​

​​ア 賃料増減請求は、請求権を行使した時ではなく、客観的に賃料が不相当と なった時に遡って効力を生ずる。
​​
不適切:賃料増額請求は、請求権の行使時に効力を生じる​イ 賃料改定を協議により行うとする特約が定められている場合であっても、 賃料増減請求を行うことができる。
適切:当事者間の協議が成立しない限り賃料の増減を許さないとする趣旨のものではない​​​ウ 借主が賃料減額請求を行ったが、協議が調わない場合、減額を正当とする 裁判が確定するまでの間、借主は減額された賃料を支払えば足り、貸主は従 前の賃料を請求することができない
​​​
不適切:裁判確定までは、借主は貸主が請求した額の賃料を支払う

​​エ 賃料改定については、合意が成立しなければ、訴訟によって裁判所の判断 を求めることになるが、原則として、訴訟提起の前調停を申し立てなけれ ばならない。
​​
適切:まず調停の申立てをしなければならない
1 ア、イ
2 ア、ウ
​3 イ、エ​
4 ウ、エ

【問 22】 賃料回収及び明渡しに向けた業務に関する次の記述のうち、​不適切​なものの組合せはどれか。

ア 明渡しを命じる判決が確定すれば、貸主は、強制執行によることなく、居 室内に立ち入り、残置物を処分することができる。
不適切:明け渡し判決があっても、居室に立ち入れない。自力救済禁止。強制執行の手続きが必要。​​イ 貸主は、契約解除後、借主が任意に明渡すことを承諾している場合、明渡 し期限後の残置物の所有権の放棄を内容とする念書を取得すれば、借主が退 去した後に残置物があったとしても自らこれを処分することができる。
​​
適切:自ら残置物の所有権を放棄する意思を示している場合は念書の効力が認められる​​​ウ 貸主は、借主の未払賃料について、支払を命じる判決が確定しなければ、 賃料債務の有無及び額が確定しないため、敷金を充当することができない
​​​
不適切:判決が確定しなくても、敷金は当然に未払賃料に充当される

​​エ 貸主は、賃貸借契約書を公正証書で作成した場合であっても、建物の明渡 しの強制執行をするためには、訴訟を提起して判決を得なければならない
​​
適切:訴えを提起して、判決を得る必要がある

1 ア、イ
​2 ア、ウ​
3 イ、エ
4 ウ、エ

【問 23】 賃貸住宅標準契約書(国土交通省住宅局平成 30 年3月公表)に関 する次の記述のうち、​正しい​ものはどれか。 ​

1 賃貸住宅標準契約書では、建物賃貸借の目的を「住居」と「事務所」に限 定している。
誤り:建物賃貸借の目的は住居のみとされている​2 賃貸住宅標準契約書では、更新料の支払に関する定めはない。​
正しい:

​​3 賃貸住宅標準契約書では、賃料は、建物の使用対価のみを指し、敷地の使 用対価は含まないものとされている。
​​
誤り:賃料には、敷地の使用対価も含まれている​​​​4 賃貸住宅標準契約書では、共用部分にかかる水道光熱費等の維持管理費用 は、貸主が負担するものとされている。​​​​
誤り:共用部分にかかる水道光熱費等の維持管理費用は借主負担

【問 24】 Aを貸主、Bを借主とする建物賃貸借契約においてBが死亡した 場合に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。ただし、それぞれの 選択肢に記載のない事実及び特約はないものとする。 ​​

1 Bの内縁の妻Cは、Bとともに賃貸住宅に居住してきたが、Bの死亡後(B には相続人が存在するものとする。)、Aから明渡しを求められた場合、明渡 しを拒むことができない
​​
不適切:内縁の妻Cは、明け渡しを拒むことができる​2 Bの内縁の妻Cは、Bとともに賃貸住宅に居住してきたが、Bの死亡後(B には相続人が存在しないものとする。)、Aから明渡しを求められた場合、明 渡しを拒むことができない
不適切:内縁の妻Cは、明け渡しを拒むことができる

​​​​3 Aが地方公共団体の場合で、賃貸住宅が公営住宅(公営住宅法第2条第2 号)であるときに、Bが死亡しても、その相続人は当然に使用権を相続によ って承継することにはならない
最も適切:事業主体の承認が必要
​​​​

​4 Bが死亡し、相続人がいない場合、賃借権は当然に消滅する。​
不適切:Bが相続人なしで死亡しても、賃借権は当然に消滅しない
→相続財産管理人がその管理を行う

【問 25】 建物賃貸借契約における必要費償還請求権、有益費償還請求権及 び造作買取請求権に関する次の記述のうち、​​適切​​​なものの組合せはどれか。​

​ア 賃貸物件に係る必要費償還請求権を排除する旨の特約は有効である。
適切:必要日の償還請求権を排除することができる​​イ 借主が賃貸物件の雨漏りを修繕する費用を負担し、貸主に請求したにもか かわらず、貸主が支払わない場合、借主は賃貸借契約終了後も貸主が支払を するまで建物の明渡しを拒むことができ、明渡しまでの賃料相当損害金を負 担する必要もない。
​​
​不適切:借主は明け渡しまでの賃料相当損害金を負担しなければならない​​​ウ 借主が賃貸物件の汲取式トイレを水洗化し、その後賃貸借契約が終了した 場合、借主は有益費償還請求権として、水洗化に要した費用と水洗化による 賃貸物件の価値増加額のいずれか一方を選択して、貸主に請求することがで きる。
​​
不適切:有益費と価値増加額の選択は、貸主にある

​​エ 借主が賃貸物件に空調設備を設置し、賃貸借契約終了時に造作買取請求権 を行使した場合、貸主が造作の代金を支払わないときであっても、借主は賃 貸物件の明渡しを拒むことができない。
​​
適切:賃貸物件の明け渡しを拒むことはできない

1 ア、イ
2 イ、ウ
3 ウ、エ
​4 ア、エ​

まとめ

お疲れさまでした。賃貸不動産経営管理士、過去問第1問~25問を紹介してきました。今年合格したいと思っている人も今から準備してください。
今年の試験は、令和5年11月19日(日)13:00 ~ 15:00(120分間)です。
令和5年度 賃貸不動産経営管理士試験実施要領(国土交通大臣登録試験)
https://www.chintaikanrishi.jp/exam/summary/

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