企業理念とは?企業理念を制定する目的と作り方
社長から突然、「企業理念を作れ」と言われたら「えっ!」と思いますよね。わたしもそうでした。経営理念ではなく、企業理念。そこで本を読んだり、Webサイトを探したりと勉強しながら、専門家にもお願いして企業理念を作成しました。
この記事を見ていただくと、企業理念を作る目的、メリット、作る過程やスケジュールがわかるようになります。企業理念は判断に迷った時の判断材料になりますので、社員のためにもあったほうが良いと思います。
企業理念の意味と定義
「企業理念」とは、企業として最も大切とする考え方・価値観のこと。「なぜ、企業として存在しているのか」「どういった目標に向かっているのか」「何を強みとしているのか」といった企業としての使命やあり方などを言語化したものです。
企業理念構築(明文化)する目的
企業理念構築(明文化)する目的は、次の通りです。
- 進むべき方向性を明確にし、的確で迅速な意思決定ができる組織を作る
- 価値観を統一することにより、社員の自律的な行動が促す
- 社外に開示し、企業好感度をアップさせ、能力の高い人材や顧客を獲得する
企業理念を明文化する3つのメリット
メリット1
- 進むべき方向性が明確になり、的確で迅速な意思決定ができる
- 企業理念は、企業としてのあり方・方向性を示したものであり、企業が何か重要な意思を決定する際の基準の1つとなります。
- 「何か問題が起こったとき」や「経営判断に迷ったとき」、企業理念が明文化されていれば、企業として進むべき方向性を間違えることなく、的確で迅速な意思決定をすることができます。
メリット2
- 価値観の統一により、社員の自律的な行動が促される
- 企業理念には、社員の「行動規範」としての役割もあります。
- 「会社として何を目指しているのか」「社員一人ひとりはどのような行動をすべきなのか」ということを明文化することで目標が明確になり、価値観を統一することができ、社員一人ひとりが自律的に行動できるようになります。
メリット3
- 社外に開示することで、企業イメージが良くなり、採用や顧客の獲得に良い影響がでます
- 「〇〇を目指しています」「〇〇を大切に、事業を行います」「地元に貢献します」といった企業の思いを、顧客や地域の人にも知ってもらうことができます。
- 業理念を明文化することで、「入社を希望する求職者が増える」「自社の商品・サービスが選ばれやすくなる」など、採用や顧客の獲得に良い影響がでます。
企業理念構築の際の留意点
- 社員が自ら参加して作る企業理念であること
- 企業理念制定後、社員に浸透し続ける仕組みを作ること
- 企業理念を実践するために、全社をあげて取り組む組織、社内風土を作ること
企業理念構築プロジェクトの設置
- 社員一人一人が希望をもって働けるよう、社員の思いの詰まった企業理念として再構築するため、プロジェクトを立ち上げて社員全員参加型のプロジェクトを進行します。
外部専門家への委託について
- 企業理念構築にあたっては、事務局及び推進リーダーが中心になって行うが、専門知識が必要な項目についての支援、サポート業務、データの集約・整理等の作業について委託するほうがスムーズに進むと思います。
費用
- 内容にもよりますが、わたしの周りでは200万円~400万円くらいかけているようです。
企業理念構築までの大まかなスケジュール
1か月目
- 企業理念策定方針決定
- 企業理念制定宣言
- 経営トップインタビュー
- 社員アンケート
- 企業理念理解深耕研修・ディスカッション①
2か月目
- ディスカッション②・ディスカッション③・意見集約
3か月目
- 企業理念発表・説明会・企業理念浸透研修
具体的進め方
事務局の設置
- PTメンバー決定、事務局の設置、PTメンバーの指名。将来当社を担っていく人材を指名する。
- 経営幹部、事務局の設置、PTメンバーへレクチャー
- 企業理念の必要性(何のために作るのか)、企業理念で何が変わるのか、経営幹部、事務局、PTメンバーの役割と具体的進め方を決める。
- PTメンバーは企業理念策定に向けてリーダーシップをとっていく。
トップヒアリング
- トップヒアリングにより今後の会社の目指すべき姿、そのための全社員参画による再構築の重要性等を確認。
社員アンケート
- 現状の「企業理念」に対する浸透度合いを検証し、企業理念等に対する意識の実態をつかむとともに、全社員により浸透・定着させていくための中身と社内の仕組を検討する際に必要な要素を収集する。
データの収集
- ディスカッションでの検討材料として、顧客調査・ショップ調査の実施、および他社事例のまとめ
企業理念理解深耕研修
- 企業理念についての理解深耕を図り、その上で、現状の企業理念および新しく構築する企業理念に対する認識の共有化を図ります。
全社員によるディスカッション
- 全社員によるディスカッションを実施(全3回、月一回程度のペース)
- 1グループ5~6名で、複数のテーマについてメンバーそれぞれが意見を出し合い、最終的にグループとしての思いをとりまとめ。
意見の集約・具体案の検討
- ディスカッションで出された思いを集約し、約10のキーワードを抽出。それを元に具体案を作成・検討。具体案の作成にあたっては、経営陣や社員の選抜メンバーの意見を反映。
新企業理念(案)作成・デザイン・周知方法の決定
- 企業理念と行動指針を策定。社内で浸透・定着化を図るための施策などについても整備を進める。
新企業理念の発表・説明浸透・定着化活動
- 「企業理念」が構築できると、それを全社員の意識の中に浸透・定着させる必要があります。
- 企業理念の浸透・定着まで進めるための仕組を検討し、具体的な施策を提案する。
最後に
ここまで読んでいただいてありがとうございます。企業理念を構築することも大切ですが、全社員に周知、浸透、定着することが企業の優位性を高めることになります。朝礼での唱和だけでなく、あらゆる意思決定の場において企業理念の文言に照らし合わせて考えることによって、ぶれない会社、信頼のおける会社になると思います。
企業理念PT構築リーダーとして初めてファシリテーションのようなことをやりました、できればこちらのスキルを先につけていたほうがよかったと思います。
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