SC経営士試験過去問2022年度SC経営戦略③
SC経営士試験は過去問に取り組むことで合格が近づきます。過去問をしっかりやって合格してください。
SC協会からの解説はありませんので、あくまでわたしの私見で解説を入れています。わからない設問もありますので、ご了承ください。時事問題は毎年変わるので省略しています。
サブノートを作るときの参考になるよう、文を分割して箇条書きを多く取り入れています。
一次試験問題集│SC経営士試験│SC経営士│一般社団法人 日本ショッピングセンター協会 (jcsc.or.jp)
「人的資本経営」【第 11 問】
- 近年、グローバル化やコロナ禍によって先が見通しづらくなっている環境下においては、無形固定資産や非財務情報などに関心が集まるようになり、人的資本がより注目されている。 人的資本とは、従業員が習得した技能、資格、能力を資本とみなす考え方であり、人的資本経営とは、 人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のことである。
- 人的資本経営が注目されている背景の一つに、SDGs への世界的な取り組み強化が挙げられる。国連の SDGs の取り組みの一つとして、日本では企業へのダイバーシティの推進、人材育成や雇用環境の改善など働き方改 革を掲げている。
- 二つ目は、ISO(国際標準化機構)が 2018 年に発表した人的資本の情報開示に関する国際的な スタンダード ISO30414 である。
- 人件費などの労働コスト、組織文化、リーダーシップ、ダイバーシティなど開示 すべき情報が 11 領域 49 項目にわたってまとめられている。
- 欧米では既に、 上場企業などに人的資本に関する情報開示が義務化されている。三つ目は ESG 投資である。
- ESG 投資とは、環境や社会、企業統治に配慮している企業に注目して行う投資のことで、ESG評価が高いと事業の社会的意義や成長の持続性などに優れた企業といえるため、積極的に投資してもらいやすくなる。
「働きがい改革」【第 12 問】正誤問題
- 2016 年に政府が働き方改革を打ち出したが、日本企業は長時間労働の是正など「働きやすさ」の面での改善が進んでいない。 ×間違い
一人当たり労働時間はパートタイム労働者の増加により減少傾向で改善は進んでいる。 - 厚生労働省によると、労働者 1 人当たりの年間総実労働時間は 2020 年に 1685 時間と 16 年比 5.5% 減。有給休暇取得率は 7.2 ポイント上昇の 56.6%と過去最高になった。 〇正しい
- 去る5月1日の日経新聞によると 1 人当たりの労働時間は 2020 年に 2016 年比で 100 時間減るなど 働きやすくなったものの、仕事に熱意を持ち会社に貢献したいと考える社員の割合は 6 割弱と世界 23 カ国中、最下位であり最下位が過去 6 年続いている。 〇正しい
- 人事コンサルタント会社が約 6300 社を対象に実施した調査によると、「責任ややりがい」「経営陣に 対する信頼」といった項目で 2021 年の数値が 2015 年よりも低下した。〇正しい
- 背景には、日本企業の「上意下達の組織風土や年功序列によるポスト滞留など、 旧来型の日本型経 営が社員の働きがい低迷に影響している」など組織運営の改革遅れがあるとみる専門家が多く、経 団連も「社員のエンゲージメントを高める取り組みが必要」としている。〇正しい
- 「エンゲージメント」とは、 一般には約束や契約を意味するが、人事分野では「働きがい」を指す。 〇正しい
- 「エンゲージメント」には2つある。一つは「ワークエンゲージメント」であり、社員と会社が信頼 して貢献し合う状態を示す。 ×間違い
参考:エンゲージメントには「ワークエンゲージメント」と「従業員エンゲージメント」の2種類があります。
参考:「ワークエンゲージメント」は、仕事から活力を得ていきいきとしている」(活力)、「仕事に誇りとやりがいを感じている」(熱意)、「仕事に熱心に取り組んでいる」(没頭)の3要素がそろった状態として定義されています。
もう一つは、「従業員エンゲージメント」であり、仕事にやりがいや熱意を持ち生き生きとしている 状態を示す。 ×間違い
参考:「従業員エンゲージメント」というのは、従業員が現在働いている会社に対してどれだけ信頼しているか、どれだけ貢献したいと考えているかという愛着を表す概念、熱意や没頭や活力、職務満足なども含み、広く曖昧な意味を持っています。 - 「エンゲージメント」は、生産性改善や社員の離職防止などにつながるが、重視する企業が増えている。 ×間違い
※ごめんなさい。設問の日本語がおかしいですが、意味が分かりませんでした。 - 投資家も企業が働き手の価値「社会・関係資本」をどう引き出しているかを重視しており、 投資先の選別に活用する動きが出始めている。×間違い
※投資家の社会に対する関心は「人的資本」であり、その手段にはこだわらないということではないでしょうか。参考になるような情報はありませんでした。
「キャッシュフロー」【第 13 問】
キャッシュフロー経営
- 会計上の利益でなく、 手元にあるキャッシュ(現金と現金等価物)を重視する経 営手法のことである。企業の資金ショートによる倒産リスクを避けるためには、手許資金の確保を重視した経 営が必要となる。
「財務三表」
「損益計算書」では企業の経営成績がわかる。「貸借対照表」では企業の財務状態がわかり、 「キャッシュフロー計算書」で企業の資金状況がわかる。
キャッシュフロー計算書
- 「営業活動」によって増減した現金、固定資産・株などの「投資活動」によって増 減した現金、借入・返済などの「財務活動」よって増減した借入金の 3 つの要素から構成される。
フリーキャッシュフロー
- 自由に使える資金のことである。 フリーキャッシュフローの具体的な使い道と しては、株主への分配・還元、新規事業への投資、事業拡大や M&A を行う資金、借入金の返済などがある。
100 次の「キャッシュフロー(CF)」から典型的な安定企業と判断できるのは、1~3のどの企業か。答えはB企業です。
1.A企業 | 2.B企業 〇 | 3.C企業 |
・営業 CF(プラス)
・投資 CF(マイナス) ・財務 CF(プラス) |
・営業 CF(プラス)
・投資 CF(マイナス) ・財務 CF(マイナス) |
・営業 CF(マイナス)
・投資 CF(プラス) ・財務 CF(プラス) |
・本業で稼げている
・成長の投資を行っている ・借入、資金調達が多い |
・本業で稼げている
・成長の投資を行っている ・借入を返せている |
・本業で稼げていない
・成長の投資を行っていない ・借入が多い
|
「資本効率」【第 14 問】
貸借対照表と資本効率の関係は次の通りです。
総資本回転率
- 会社の資本を有効に利用できているかどうかを分析するための指標で、 売上高を総資本で除して計算する。
「資本の回転」
- 資本→商品→ 現金 →資本という一連のサイクルのことで、商品の過剰在庫や売掛金の未回収は、総資本回転率を下げることになる。
総資本回転率
- 分母の総資本を「流動資産」や「固定資産」に代えることで、流動資産回転率、固定資産回転率を分析することができる。
- 総資本回転率
- 業種別平均値や自社の過去の数値と比較することによって課題が明確になる。
- 総資本回転率は、設備投資の多い資本集約型の産業が重要視すべき経営指標である。
- 総資本回転率が適正水準で あっても、負債比率や固定比率が悪化している会社経営には、十分な注意が必要になる。
最後に
お疲れさまでした。以上が時事問題第15問を除く解答、解説でした。この後は商業一般の問題を掲載する予定です。SC経営士試験は範囲は広いものの、中小企業診断士試験のように深い知識までは問われることはありません。先に中小企業診断士の勉強をすれば理解が深まると思います。
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