コトラー、マーケティング1.0〜4.0
こちらの記事では、コトラーのマーケティング1.0~4.0をざっくりと解説して、
最新のマーケティング5.0についても触れていきたいと思います。
これを読むことによってコトラーのマーケティングについて、ざっくりと理解できるようになります。
マーケティング1.0(商品中心のマーケティング)
時代
1900年〜1960年代
マーケティング1.0
「安ければ売れる」という時代で、商品中心のマーケティングのことをいいます。
背景
商品を大量生産し、大量に消費する時代
マーケティングを行う目的
「商品をできるだけ安く売り、利益を最大化させる」
主なマーケティング戦略
- 商品を大量生産
- コストを抑える
- テレビCMを大量投下(Spray)
- 認知度を上げて、利益向上に成功することを祈る(Pray)
- 「スプレー・アンド・プレイ」
企業が顧客に対して優位に立てる時代
商品と価格で需要を制御できた時代
4Pフレームワークの誕生
マーケティングを学ぶ際の基礎中の基礎と言われるほどのフレームワーク
商品(Product)と価格(Price)が重要な要素
- 利益の最大化するために開発した商品(Product)を
- どこで、どのように(Place)
- いくらで販売するか(Price)
を調整し、
- どういう宣伝するのか(Promotion)
を見える化することで、実行可能なアクションを起こす。
マーケティング2.0(買い手主導のマーケティング)
時代
1970年代
背景
技術発展に伴い似た商品が安く製作できるようになったが、市場全体の価格競争が激しくなってしまい、大量生産・大量販売が通用しなくなってきた。
マーケティング2.0
技術が大きく進化したため商品のコモディティ化が進んだため、企業主導で商品を安く売ることではなく、買い手にとって「買い手の欲しいものは何か」にシフトした「買い手主導」のマーケティングをいう。
マーケティング1.0(企業優位)では、この時代で勝ち残ることはできなくなってきた
→顧客ニーズを知ることが重視するため、「企業視点」から「顧客視点」にシフトした。
STP分析
マーケティング2.0では、「買い手(顧客)志向のマーケティング」となり、STP分析が誕生
STP分析とは、
- 市場の全体像を捉え
- ターゲット対象となる顧客層を見定めたうえで
- 自社商品の立ち位置を選定するためのフレームワーク。
買い手を細分化し、より深く顧客を分析するための手法
マーケティング3.0
時代
1990〜2000年代
背景
市場全体に商品が溢れ、企業の間で競争がさらに激化
インターネットの普及により顧客が獲得する情報は急増したため、更なる市場変化が発生。
企業側は、顧客側の変化に対応するためにネットを使ったマーケティングが主流になり、社会的責任を担うCSR(corporate social responsibility)に力を注ぐようになった時代。
国際化によって「地球温暖化」「人種差別」など、数々の社会問題が顧客側にダイレクトに認知されるようになり、顧客の価値観に大きな変化が生まれたことで、CSRが注力するようになったといわれている。
マーケティング3.0時代の特徴
「環境にいい」「ECO(エコ)」など、その商品に合ったキーワードを付け
「社会的責任を果たしているブランド」とアピールする企業が増え始めた。
顧客にとっての価値は何なのかを訴求する「価値主導のマーケティング」が必要とされた時代になった。
- 社会的責任を担うCSRに注力することが求められる
- インターネットの普及
- 価値主導のマーケティング(モノ消費よりもコト消費が好まれようになり、共創(顧客と共に価値創造)していく)
- 3iモデル誕生
3iモデル
企業を評価する「ポジショニング」「ブランド」「差別化」という3つの側面から見るフレームワークのこと。
3i
ブランドのアイデンティティ(identity)、イメージ(image)、インテグリティ(integrity)をさします。
ブランド・アイデンティティ
買い手の興味関心を引くために、マインド内にポジショニングをすること。
ブランド・イメージ
- 企業の将来のビジョンや目指すライフスタイルなど示すことで差別化を測り
- 顧客ニーズをしっかり満たしながら心を掴むこと。
ブランド・インテグリティ
- ポジショニングと差別化によってブランド自体の実現を主張し
- 顧客の信頼を作り上げることで成り立ちます。
マーケティング4.0
時代
2010年以降
背景
- 消費者は「社会的価値」だけではなく、「精神的価値」を満たすことも求められるようになった。
- オンライン・オフラインを融合し「自己実現」を重要視する“自己実現マーケティング”が必要となってきた。
消費者は、商品やブランドを通じて、ありたい自分・あるべき自分を追求することになり、
企業は消費者の“精神的欲求”を満たす商品の提供が求められます。
また、近年ソーシャルメディアやブログ等の普及に伴い、顧客が自身で情報発信をできる環境が整っており、買い手は口コミや宣伝など簡単に情報発信ができるようになった。
そのため、企業のマーケティング活動は商品購入までのプロセスだけではなく、買い手の購入後のアフターサービスのプロセスまで考慮する必要が出てきた。
マーケティング4.0時代は、オン・オフライン両方の顧客接点を充実させながら顧客エンゲージメントの向上が重要視され始めたことが特徴。
5a理論の誕生
顧客の購買プロセスのフレームワークです。
以前は、「4a」が主流。顧客は「行動(Act)」で終わりそれが繰り返されていたが、4.0の概念では最終目標が変更され「奨励(Advocate)」他者に商品やサービスを勧めるという行為が加わった。
マーケティング4.0の目標
ただ商品を認知してもらうだけでなく、商品のファンになってもらい、顧客自ら商品の推奨をしてもらうこと。
- 認知(Aware)・・・商品・サービスを知る
- 訴求(Appeal)・・・商品を識別・記憶する
- 調査(Ask)・・・・評価や口コミを調査する
- 行動(Action)・・・商品・サービスの購入・申し込み
- 奨励(Advocate)・・他者へ勧める
マーケティング5.0
テクノロジーを応用し顧客体験価値を高める時代のことをいう。(「テクノロジー」と「人間」)
テクノロジーと人間の特徴を最大限に活かしながら協力していくことがマーケティング5.0の概念です。
顧客体験の向上は、マーケティング4.0でもが重要視されていたが、テクノロジーを応用し新たな価値提供が求められる時代になった。
マーケティング5.0が提唱された理由
マーケティン4.0で出来なかったことがテクノロジーの進展により可能になったためだと言われている。
現代のビジネスにおいて、デジタル化の発展が大加速し市場全体、マーケター達も新テクノロジーの世界に適応する必要がでてきたため、マーケティング5.0の概念を取り入れた。
マーケティング5.0時代
顧客体験全体を通じて、人間のようにふるまうテクノロジーを活かしながら価値提供し、
心に共感することができる人間で、信頼関係を構築しながら価値を増幅させることが必要です。
マーケティング5.0は、「テクノロジーと人間の掛け算」
最後に
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
マーケティングは時代の流れによって変化しますが、勉強しがいがあると思います。この次はメタバースでのマーケティングとか出てきそうですね。楽しみです。
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