SC協会から2024年の試験問題、解答が発表されました。
https://www.jcsc.or.jp/management/qanda.html
商業一般の問題、解答を集約していますので、これから受験する人にも参考になればと思います。
合格率は30%くらいですが、それほど難しい試験ではないと思います。ただ、普段から勉強していない人には内容が理解できないと思いますので、普段から学習する習慣をつけることが必要だと思います。この記事に出会った人は、1年かけて勉強してください。
小売業のサステイナビリティ
【第1問】〈配点 10点〉 (解答番号は 1 から 5 ) 小売業のサステイナビリティに関する次の文章を読み、文中の空欄に最も適切な語句を下記のそれぞれの語群 から選び、その番号をマークしなさい。
2022年4月に施行された「プラスチック資源循環促進法」は、プラスチックの資源循環を進めて持続可能な社 会を実現することを目的とした法律である。この法律により、事業者は製品の設計・製造、販売・提供、排出・ 回収のすべての段階において資源循環への配慮が求められる。こうした取り組みを通して、廃棄物の発生を少 なくするリデュースやリサイクルなど従来の「3R」や、原料の再生可能資源への代替を意味する「 1 」 が促進され、「大量生産・大量消費・大量廃棄」に代わる 2 への移行が進むと期待されている。
プラスチックに代わる環境に配慮した素材が求められるなか、石灰石を主原料とする「 3 」への注 目が高まっている。「 3 」は、炭酸カルシウムなど無機物を50%以上含んでおり、プラスチック成分 を大幅に削減できる。主原料の石灰石は日本でも自給率が高く安定して入手できるほか、使用することで二酸 化炭素の排出がどのくらい削減されるのかを数値化することができる。使い終わった「 3 」を製品原 料として再資源化する 4 が可能な点もメリットという。
アパレル業界ではファストファッションが台頭しはじめた2000年ごろから、商品の過剰供給の傾向が強まり、 多くの企業で余剰在庫が課題となっている。生活者の消費への意識も変化し、アパレル業界においてもサステ イナブルであることが重視され、余剰在庫の問題解決に目が向けられている。こうした課題の解決に向けた取 り組みとして、環境負荷に配慮した新素材や、捨てられる製品に新たな価値を付加して再生する 5 も 注目されている。
語群
1 1.Refuse 2.Return 3.Renewable 4.Reuse 5.Repair
2 1.カーボンエコノミー 2.サーキュラーエコノミー 3.リニアエコノミー 4.サーマルエコノミー 5.水平エコノミー
3 1.COP 2.FIT 3.ZEB 4.LIMEX 5.GX
4 1.アップサイクル 2.ケミカルリサイクル 3.サーマルリサイクル 4.ダウンサイクル 5.マテリアルリサイクル
5 1.リメイク 2.アップサイクル 3.ダウンサイクル 4.リユース 5.リセール
小売業
【第2問】〈配点 10点〉 (解答番号は 6 から 15 ) 小売業に関する以下の記述のうち正しいものには1を、誤っているものには2を、解答欄にマークしなさい。
6 経済産業省「商業動態統計調査」によると、2023年の小売業販売額は、すべての業種で対前年を上 回った。
2
7 経済産業省「商業動態統計調査」によると、2023年の小売業販売額のうち主要業態のなかで最も販 売額が大きいのはコンビニエンスストアである。
2
8 経済産業省「商業動態統計調査」によると、2023年百貨店販売額のうち、「飲食料品」の販売額は「紳 士服・洋品」「婦人・子供服・洋品」をあわせた販売額よりも大きい。
1
9 コンビニエンスストア業界では、コンビニエンスストアにスーパーマーケットの要素を加えた店舗 の開発の動きがみられる。たとえばファミリーマートは「SIPストア」を実験店として出店した。
2
10 「SC JAPAN TODAY」によると、大規模小売店舗立地法の新設届出件数は、2021年度、 2022年度は600件台であったが、2023年度は600件を下回った。
1
11 第7回地域貢献大賞を受賞したSCは「SAKURA MACHI Kumamoto(サクラマチ クマモト)」であり、国土交通省都市局長賞をあわせて受賞した。
1
12 経済産業省2022年度「電子商取引に関する市場調査」によると、物販系分野、サービス系分野、デジ タル系分野いずれもBtoC-EC市場規模は対前年で増加している。
2
13 「2024年問題」のなかで物流の効率化が求められるが、大規模かつ郊外にある物流センターから配 送する仕組みを「マイクロ・フルフィルメント」という。
2
14 米国では、環境に配慮した商品の設計を義務づける「エコデザイン規制」が制定された。これによっ て域内で事業展開するアパレル事業者に対し、売れ残った衣料品の廃棄が禁止されることになる。
2
15 いつ買ったか、どのくらいの頻度で買っているか、いくら使っているかに関するデータをもとに、 優良顧客のセグメンテーションを行う分析手法をRFM分析という。
1
小売業に関連する用語
【第3問】〈配点 10 点〉 (解答番号は 16 から 20 ) 次の文章は、小売業に関連する用語についての記述である。記述文と最も関連の深い語句をそれぞれの語群 から選び、解答欄にその番号をマークしなさい。
16 競合する店を品揃えや価格、売場のレイアウト、接客サービスや販売促進など、さまざまな角度から比較考察し、自社や自店の経営に役立てること。
語群 16 1.CLT 2.ストアポジショニング 3.ミステリーショッパー 4.LEED 5.ストアコンパリゾン
17 POS等のデータから、一緒に買われている商品の組み合わせを明らかにする分析手法。
語群 17 1.クラスター分析 2.バスケット分析 3.コンジョイント分析 4.コレスポンデンス分析 5.POS分析
18 ある商品のレジ通過客数1,000人あたりの売上金額や販売数。スーパーマーケットなどで、商品の 売上金額や販売数を予測する際に使用される。
語群 18 1.PI値 2.リフト値 3.NPS 4.ノーム値 5.CVR
19 商品やサービス、企業のロイヤルティを表すスコア。0~10の11段階で推奨度を評価してもらい、 0~6を批判者、7,8を中立者、9,10を推奨者とし、推奨者の割合から批判者の割合を引いた値を用い る。
語群 19 1.FSP 2.NPS 3.CVR 4.LBO 5.NRS
20 食料品販売店で売られている食材をその場で調理した料理が提供される。利用者がその料理を食べ て気にいれば、同じ食材を購入することができる。
語群 20 1.イートイン 2.フードコート 3.グローカランド 4.グローサラント 5.フードホール
小売業のデジタルトランスフォーメーション
【第4問】〈配点 10点〉 (解答番号は 21 から 25 ) 小売業のデジタルトランスフォーメーションに関する次の文章を読み、文中の空欄に最も適切な語句を下記の それぞれの語群から選び、その番号をマークしなさい。
生活者の購買行動の多様化、人手不足の深刻化を受けて、デジタルトランスフォーメーション(以下DX) への取り組みは、小売業においても必要不可欠である。
決済におけるキャッシュレス化も、DXに欠かせない取り組みといえる。日本のキャッシュレス決済比率は、 世界各国と比べて低い水準となっている。そこで日本の「キャッシュレス決済比率」を2025年6月までに 40% 程度、将来的には世界最高水準の 22 を目指す「キャッシュレス・ビジョン」が2018年に公 表され、キャッシュレス決済の普及・拡大がすすめられてきた。
新型コロナウイルス感染症の拡がりで消費に関するオンライン化へのシフトも顕著となるなかで、2018年に 24.1%であったキャッシュレス決済比率は、2023年には39.3%まで高まり、目標に向けて順調に比率を伸ばし ている。キャッシュレス決済額について手段別の比率をみると、2023年は 23 が最も多く、 24 が これに続いている。
キャッシュレスを取り巻く環境も変化してきている。特に決済におけるスマートフォン等のモバイル端末の 利用やAI技術等の発展に伴う画像認識・データ分析技術などの新たな技術の登場は、キャッシュレスの提供 価値を拡大しうる変化といえる。たとえば顔認証による 25 決済、レジを通らず購入できる無人店舗な ど、よりシームレスで決済行動を意識せずに消費を完結できるサービスが登場している。
語群
21 1.40% 2.45% 3.50% 4.55% 5.60%
22 1.70% 2.75% 3.80% 4.85% 5.90%
23 1.クレジットカード 2.デビットカード 3.電子マネー 4.コード決済 5.暗号資産
24 1.クレジットカード 2.デビットカード 3.電子マネー 4.コード決済 5.暗号資産
25 1.VR 2.ハンズフリー 3.ハンズオン 4.AR 5.JWO
売場づくり
【第5問】〈配点 20点〉 (解答番号は 26 から 35 ) 次の文章は、売場づくりに関する文章である。正しいものには1を、誤っているものには2を、解答欄にマー クしなさい。
26 クロスマーチャンダイジングとは、消費者の利用状況を考慮して、複数の商品(カテゴリー)を組み 合わせて陳列・演出し、買い物客に計画的購買を促す手法である。
2
27 インストアマーチャンダイジングとは、広告や新聞折り込みによる販売促進ではなく、店内で実施 される売り場管理である。管理内容はインストアプロモーションとスペースマネジメントに分かれ る。
1
28 店舗においては、顧客が移動する経路をサービス動線と呼び、売場設計、レイアウトのベースとな る。サービス動線は短くするのが原則である。
2
29 集視ポイントとは、顧客の目を引き付け、足を止めさせ、計画的な購買に結び付けるための売場内 でのポイントとなる部分である。
2
30 売場におけるPOP広告は、商品と顧客をコミュニケートし、客数を増加させる購買促進策である。 商品の特徴や価格を説明して、顧客の目を引き付け、お買い得感を演出して購買意欲を喚起する。
2
31 パワーアイテムとは、販売数量が多く、顧客の支持率の高い商品である。パワーアイテムをバラン スよく店内に配置することによって、回遊性が向上する。
1
32 フェイシングとは、陳列棚の最前列に、同一かつ複数の商品を横と縦に最適な数量を並べる配列手 法である。売れ筋のフェイス数は多く、売れ行きが鈍い商品のフェイス数は少なくと、在庫量に応 じた陳列状態にするのが原則である。
2
33 屋外・店頭・公共空間・交通機関など、あらゆる場所でディスプレイなどの電子的な表示機器を使っ て情報を発信するシステムが、デジタルサイネージである。広告や施設案内などの多種多様な情報発 信に活用できる。
1
34 目線を動かすことなく視界に入る陳列の高さの範囲は、ゴールデンゾーンと呼ばれる。商品が女性 向けか男性向けかで、ゴールデンゾーンの高低を意識する必要がある。例えば、玩具や菓子のゴンド ラでは、子供の目線に合わせて低くなる。
1
35 パラペットとは、もとはフランス語で、店舗の正面の外観すべて、または外装全体のことである。パ ラペットの整備は、商業施設のイメージアップのためにも重要である。
2
主な業態
【第6問】〈配点 5点〉 (解答番号は 36 から 40 ) 以下の文章は、主な業態に関する記述である。文中の空欄に最も適切な語句を下記のそれぞれの語群から選び、 その番号をマークしなさい。
ドラッグストア業界は、 36 の向上や集客力の増強を図るため、 37 の拡大強化に邁進してき た。 37 の取り扱い強化による 38 ショッピングの強化や、諸外国人のインバウンド需要の取り 込みなどで、安定した成長を遂げたといえる。 コンビニエンスストアの商品政策は、限定された品揃えのなかで、POSシステムを駆使した 39 手 法を採用している。店舗数の増加による競争も厳しく、近年ではやや成長鈍化の傾向がみられる。そこで採用 された商品政策が、 40 の導入である。 40 の導入により、家庭の主婦や高齢者層の集客に効果 を上げている。
語群
36 1.店格 2.生産性 3.来店頻度 4.認知度 5.従業員満足度
37 1.家庭雑貨 2.衣料品 3.サービス 4.医薬品 5.飲食料品
38 1.ネット 2.カタログ 3.テレビ 4.ワンストップ 5.ライブコマース
39 1.生産管理 2.人事管理 3.店舗管理 4.品質管理 5.単品管理
40 1.惣菜 2.生鮮三品 3.弁当 4.加工食品 5.書籍
損益計算書(レストラン)
【第7問】〈配点 10 点〉 (解答番号は 41 から 50 ) 下表は、A社(レストラン)の損益計算書である。各設問に答えなさい。
設問1 A社の損益計算書の空欄に入る、最適な数字を語群から選択しなさい。
語群
41 1.158,400 2.125,300 3.107,900 4.81,600 5.64,400
42 1.20,300 2.22,900 3.26,500 4.28,600 5.30,100
43 1.400 2.2,200 3.5,800 4.7,900 5.9,400
設問2 A社の収益性に関する、下記の数値を算出しなさい。
44 営業利益率は何%か(小数点第2位四捨五入)
語群 44 1.68.0 2.28.7 3.20.6 4.19.5 5.1.1
45 経常利益率は何%か(小数点第2位四捨五入)
語群 45 1.25.1 2.23.8 3.22.1 4.19.1 5.16.9
設問3 A社の損益分岐点に係る、下記の数値を算出しなさい。ただし、変動費と固定費を以下のように区分 すること。
変動費=売上原価 固定費=人件費+家賃+その他の販売費・一般管理費+営業外費用-営業外収益
46 損益分岐点売上高はいくらか(千円未満四捨五入)
語群 46 1.85,588千円 2.86,324千円 3.91,471千円 4.107,647千円 5.115,000千円
47 損益分岐点比率は何%か(小数点第2位四捨五入)
語群 47 1.95.8 2.89.7 3.76.2 4.72.0 5.71.3
48 経営安全率は何%か(小数点第2位四捨五入)
語群 48 1.28.7 2.28.0 3.23.8 4.11.3 5.4.2
FLコストおよびFLRコスト
設問4 A社のような飲食店では、コスト管理においてFLコストとFLRコストが重要である。A社のF LコストおよびFLRコストを算出しなさい。
49 FLコストは何%か(小数点第2位四捨五入)
語群 49 1.32.0 2.47.1 3.60.0 4.68.0 5.88.2
50 FLRコストは何%か(小数点第2位四捨五入)
語群 50 1.60.0 2.66.2 3.70.0 4.80.5 5.97.3
まとめ
商業一般は計算問題等が出ることが多いので、苦手な人は簿記の3級や販売士の勉強もした方が良いと思います。
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