【SC白書2025】テナント構成の変化が示す未来図──「衣」から「食」へ、日常重視の進化とは？

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https://jcsc.or.jp/sc_hakusho_digital/2025/

こんにちは！今回は「SC白書2025」から、ショッピングセンター（SC）におけるテナント構成の変化について詳しくご紹介します。

「昔はSCといえばファッションのイメージだったけど、最近はフードやカフェが多くなった気がする」
そんな感覚、実はデータにも表れています！

ファッションの時代から「食」の時代へ

SCといえばかつては“ファッションの宝庫”でした。
ところが2024年、SC全体における**衣料品（ファッション）テナントの比率は10.1％**にまで減少。

これは、2013年の約18％からほぼ半減したことになります。

一方、飲食テナントの比率は27.2％に拡大。
「衣」から「食」へ──そのシフトは明確です。

なぜ「食」が増えているのか？

以下のような背景があります。

✅ 1. ECに押されるファッション

• 洋服や雑貨は、ネット通販での購入が一般化。

• 試着が必要なアイテムも、返品対応でカバーされる時代に。

✅ 2. 飲食は“現地体験”が命

• 外食やカフェはネットで代替できない。

• 友人や家族との「時間・空間の共有」が価値。

✅ 3. 滞在時間を延ばす役割

• 飲食があることで、SCでの滞在時間が自然に長くなる。

• 「ついで買い」や「偶然の発見」にもつながる。

サービス業種も拡大中

飲食だけでなく、以下のようなサービス系テナントも増えています。

• クリニック・調剤薬局

• 学習塾・英会話・習い事

• 美容室・リラクゼーション

• 保育施設・シェアオフィス

これらはすべて、「日常利用」や「生活密着」を重視した構成。
単なる買い物場所ではなく、「暮らしの延長としてのSC」が求められているのです。

フロア構成にも変化が

従来のSCでは、ファッションがメインフロアに配置されることが多かったですが、今はこんな傾向が見られます。

• 1階：スーパーや食品売場、カフェ

• 2階：日用品・ドラッグストア

• 3階：サービス業（塾・美容・医療）

特に1階の飲食ゾーンや「イートインスペース」の充実は、集客のカギとなっています。

テナントミックスの成功事例とは？

以下のような「日常・体験・回遊性」を意識したSCが、今のトレンドです。

• フードホール＋カフェ＋スーパー

• 家族で利用できる広場＋イベントスペース

• 子ども向け習い事ゾーン＋親の待合スペース

これにより「週1回の買い物施設」から「週3回来たくなる生活の拠点」へと進化しています。

まとめ：SCは“暮らしの拠点”へ

📉 ファッション中心のSCは減少
🍽️ 飲食・サービス系が主役へ
🏠 日常生活と一体化したSCづくりが進行中

つまり、これからのSCに求められるのは、ライフスタイルに溶け込む“日常型”テナントミックスです。

消費者にとって「ただの買い物場所」から、「暮らしを支える大事な場所」へと、SCはその役割を大きく変えようとしています。

次回は「4. 賃料や共益費、人材・エネルギーコストの現場課題」について詳しく解説します。
今後のSC運営に関わる方、必見の内容です！